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更新日:2024年1月31日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
今回のマダガスカル訪問の目的のひとつは、アイアイ等の導入計画の終了と今後の当園のマダガスカル支援の方針について、同国の所管省庁である高等教育省と「環境・持続可能な開発省」(環境省)に説明することでした。
幸い、両省とも当園のこれまでの対応を高く評価してくださり、支援の継続を依頼されたので、次のステップに進む見通しがつきました。
環境省には予定の時間より早めに着いたため、ちょっとした植物園のような敷地内を探索してみました。
日本人の旅行者がこの環境省の中枢の施設(ここには事務次官などの高級官僚がいます。)を訪れる機会はあまりないと思われますので、今回の園長ブログでは、この時の様子をご紹介します。
庁舎の前庭には、マダガスカルの固有種も含め、様々な種類の植物が植えられています。
次の写真の左側の木には鋭い刺がたくさん生えているのですが、日本の昔話に出てくるある道具にちなんだ和名がついています。
左側の木は何に見えますか?
鬼の持つ金棒に少し似ていませんか?
この植物はマダガスカルの固有種で、日本ではカナボウノキと呼ばれています。
ちょっとサボテンを思わせるような佇まいですが、サボテンの仲間ではなく「カナボウノキ科」の植物で、サボテンと同じく乾燥地帯で生き抜くために、このような姿となったようです。
マダガスカルの南部にはこのような刺がある独特な形をした様々な植物が自生しており、有刺林(Spiny Forest)と呼ばれています。
その右の樹の幹は、徳利のような形をしています。
この幹の太さと形からすると、マダガスカルでも特に有名な植物のバオバブでしょうか。
確かに似ていますが、これはパキポディウムという別の種類の植物です。
環境省とは別の場所で見かけた別種のカナボウノキ。
こちらの方が鬼の金棒っぽい?
こちらは、タビビトノキという植物です。
名前の由来には諸説あるようですが、ガイドさんからは、「葉の付け根に水が溜まっていて、手持ちの水がなくなっても、これを飲んで旅を続けることができたから」と伺いました。
別の場所でタビビトノキの葉の付け根を裂いたところを観る機会がありましたが、確かに結構な量の水が溜まっていました。
わかりづらいのですが、中に水が溜まっていて、裂いたところに当てた葉っぱが流れ出てきた水で濡れているのが伝わると嬉しいです。
このほかにも様々な植物が元気に育っており、「さすが環境省。」と感心しました。
マダガスカル原産なのに外国の政治家の名前がついているビスマルクヤシ。
後ろの瀟洒(しょうしゃ)な建物は環境省の庁舎。
ビヨウタコノキ。こちらもマダガスカル原産。
名前の由来は、気根がタコの足のように見えるタコノキの仲間のなかで一番美しいからとのこと。
そんな豊かな環境に引かれたのか、敷地内ではベニノジコをよく見かけました。
引き続き、庁舎の裏手も探訪してみました。
こちらは表とは違い野趣あふれる感じで、なぜかバナナやコーヒーの木もありました。
青い実をつけたバナナの木とパラボラアンテナが同居する環境省の裏庭
野生の生き物が住み着いていそうな雰囲気でしたが、早速ガイドさんが見つけてくれました。
どこになにがいるか、見つけられますか?
写真のやや上の方にある枯れ葉からカメレオンが緑色の顎を見せています。
環境省を訪れたのはアンダシベに向かう前で、これがマダガスカルに来て初めて出会った野生のカメレオンでした。
見慣れない東洋人に驚いたのか、このカメレオンはすぐに姿を隠してしまいましたが、ここにはほかにもカメレオンがいて、じっくりと観察することができました。
色黒なので別種かと思いきや、ガイドさんによれば、先ほどのカメレオンと同種の子供とのこと。
左目でこちらの様子をうかがいながら逃走を図るカーペットカメレオン。
前回のブログでもご紹介したとおり、カメレオンは右目と左目を別々に動かすことができ、ほぼ360度の視界を確保可能。
こうした動植物のおかげで我々の緊張もほぐれ、落ち着いて環境省高官との協議に臨むことができたのでした。
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