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更新日:2023年12月11日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
園路からチンパンジーを観察していると、たまに来園者の方から「チンパンジーはどんな餌を食べているの?」と聞かれることがあります。
そこで、今回はチンパンジーの1日の餌をご紹介したいと思います。
まずは種類からです。
当園のチンパンジーの餌はこちらになります!(一部日替わりあり)
チンパンジーの餌
レタス、セロリ、オレンジ、ピーマン、リンゴ、ミニトマト、バナナ、ニンジン、サツマイモ、きゅうり、小松菜、チンゲン菜、カブ、大豆、キャベツ、白菜、大根、ペレット(2種類)、にぼしとなんと20種類の野菜や果物を食べています。
これを見て「野菜が多い!!」と感じませんか?
確かにチンパンジーといえば、バナナなどの果物をたくさん食べているイメージがあるかと思いますし、実際に野生のチンパンジーもイチジクなどの果実を中心に食べて生活をしています。
しかし、私たち人間が普段食べる果物は、野生の果実に比べてとても甘く、糖分が多く含まれているため、野生で食べている食物の栄養素に近づけた野菜中心の餌の方がチンパンジーの体に合っていると言われています。
そこで、当園ではチンパンジーの餌は3年ほど前から野菜中心にして献立を作っています。野菜中心の餌にしてから、軟便気味だった糞が固く健康的な糞となるなど、効果は目に見えて現れています。
これらの餌は、1日に5回以上に分けてチンパンジー達に与えています。
野生では、起きている間のほとんどの時間を餌を探すことに費やしているので、なるべく餌を食べる時間を増やすために何回かに分けて与えているのです。
まずは、朝チンパンジー達が放飼場に出る前に餌を配置します。
放飼場に配置した餌
放飼場には野菜の他に、枝葉や青草も配置しています。
コンクリートの穴には、はちみつを入れます。
はちみつをセット
これで準備完了、チンパンジー達を放飼場に出します!
放飼場に出て餌を食べるチンパンジー
放飼場に出たチンパンジー達は餌を食べたり、オスの「チャチャ」がディスプレイ(誇示行動)をしたり、仲間同士であいさつをしたりと、放飼直後は群れの動きやコミュニケーションが多く見られておもしろいです。
しばらくすると、「ヤワラ」が穴に入ったはちみつを枝でとって舐め始めます。
これはこの群れの中で「ヤワラ」だけが出来る、道具を使った採食行動です。
見ていると、枝をちょうどいい大きさに折って、余計な葉を取り除いて、とても器用に道具を作っています。
はちみつを枝でとる「ヤワラ」
朝ご飯を食べたチンパンジー達はしばらくまったりタイムに入りますが、
お昼前に暇つぶしを兼ねて枝葉をあげます。
枝葉を食べる「ギンジ」
葉っぱで遊ぶ「ポッキー」
そして、午後一番に再び放飼場に屋上から餌を与えます。
※冬季は屋内で過ごしていることが多いです。
屋上から餌を与える
その後、チンパンジー達にはある「おもちゃ」をプレゼントします。
消防ホースのおもちゃ
こちらは消防ホースの中に餌を詰めて、固く結んだおもちゃです。
この中の餌を食べるには、まずは結び目をほどいて…
結び目をほどく「メダカ」
ホースの中に入った餌を落としながら食べます。
落とすことが難しいので、時間をかけて餌を食べることのできるおもちゃなのです。
ホースから餌を取りだす「メダカ」
最後に寝室に餌を配置します。
餌を配置する時間になると、チンパンジー達はその音を察知して落ち着きがなくなります。
寝室の餌の置き方は個体それぞれです。
ステージの上で食べる「チャチャ」、「ヤワラ」
寝室のステージに配置した餌
「メダカ」は床で食べるのが好きなので、ステージに餌を置いても床に落として食べることが多いです。
「ギンジ」、「ポッキー」は同じ部屋で過ごすため、餌を独り占めにしないよう、小さく切って床に置きます。
「ギンジ」、「ポッキー」の餌
部屋に帰ってきたチンパンジー達は餌をもりもりと食べて、時折高い鳴き声を出しながら上機嫌で餌を食べ始めます。
餌を食べる「ヤワラ」
以上がチンパンジー達の1日に食べている餌です。
意外と種類が多かったり、何回も食べていたりすることに驚かれた方もいると思います。
これからもチンパンジー達が健康に、楽しく餌を食べて行けるように色々と工夫していきます!
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