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ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > 園長ブログ 当園の施設長寿命化再整備計画について 第3回(7月16日)
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更新日:2024年11月5日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
今回は、エリアⅡの概要についてご紹介します。
エリアⅡは、東門側の園地(東園)のうち西側の部分で、おおむね猛獣舎の手前までの区域となります。
このエリアの「ビッグアイディア」(展示全体を貫くコンセプト)は「多様性」で、動物が進化により獲得した体の特徴や能力の高さなどを観ることを通じて、生物多様性のすばらしさを感じていただくこと、更には、生物多様性の保全の重要性に興味や関心を持っていただくことを目指します。
ここでは、動物本来の素晴らしい能力を引き出す行動展示を大きく取り入れ、南米・オーストラリア・アジアの様々な動物たちの活き活きとした姿を観られるようにします。
3つのエリアとそれぞれの「ビッグアイディア」
エリアⅡの詳細な計画はこれから詰めていくことになります。
現時点で描いているイメージをご説明しますが、文字だけですと伝わりにくいと思われますので、こちらの地図と併せてご覧ください。
エリアⅡの概要図
それでは、ふれあい館がある「ふれあいの丘」から、エリアⅡに向かって進んでいくこととしましょう。
○フクロテナガザル
「ふれあいの丘」から東園に向かうスロープを下っていくと、左手にフクロテナガザルが見えてきます。
フクロテナガザルのブラキエーション(人間が雲梯で遊ぶときのように、両腕で交互に枝を掴んで身体を振って移動する動き)は、現在の施設でもとても人気があるのですが、ここでは、園内の高低差を活かし、より立体的でダイナミックな動きを柵越しではなく直に観られるようになります。
檻の中から見たフクロテナガザルのブラキエーション。
この動きを直に観ることができるのは、いまは当園職員に限られていますが、リニューアル後は、広い展示場で誰もが観覧できるように。
フクロテナガザルは、名前の由来となっている大きなのど袋を使って、遠くまで声を響かせることができるのですが、いまよりも高いところに移るとどこまで声が届くのか、楽しみです。
通路の左手にある、樹木が生い茂り高低差があるところが、フクロテナガザルの展示予定地。
現在動物はいませんが、以前は、中に入って鳥を観察できるバードケージがありました。
○南米館
更にスロープを下っていくと、いまは「森の食堂」やチンパンジー舎がある辺りに、新設の「南米館」の建物が現れます。
ここでは、カピバラ、ジェフロイクモザル、キイロアナコンダやメガネカイマンといった南米原産のは虫類など、南米地域の動物を集約し、自然光や豊富な植栽を活かして、生物多様性のホットスポット(地球上で生物学的に特別豊かでありながら、同時に破壊の脅威にさらされている場所)である南米アマゾンに足を踏み入れたような体験ができるようにします。
インコなどの鳥類が自由に館内を飛び回る姿を観たり、リスザルとアカアシガメなど異なる種類の動物が一緒に暮らしている様子を観たりすることもできるでしょう。
屋内型の施設なので、天候を気にする必要もなくなります。
西園(アフリカ園)と東園を繋ぐスロープは園内で最も高低差があるのですが、土地を造成して、いまよりもなだらかにします。
また、「南米館」は高さのある建物とし、動物たちの様子を様々な場所・高さから観られるようにするとともに、エレベーターを設けて高低差を気にせずにスムーズに移動できるようにします。
チンパンジー舎(手前の建物)と森の食堂(奥に見える屋根が白い建物)の辺りが、南米館の予定地。
ここは園内随一の難所(勾配11.6%)。
今回の再整備では、よりなだらかになるよう土地を造成するとともに、南米館内にエレベーターを設置して対応。
○フンボルトペンギン
南米館の前のスロープ(園路)は、平地に出たところで大きく右に曲がります。
この道に沿って、フンボルトペンギンの展示場を設けます。
ここでは、空を飛ぶように水の中を泳ぐペンギンの特徴がよく観察できるように工夫します。
○レッサーパンダとジャイアントパンダ
ペンギンたちにお別れをして園路を東門方面に向かって進むと、左手にレッサーパンダが見えてきます。
誘致が実現すれば、右手にはジャイアントパンダがいるはずです。
ここでは、異なる種でありながら、自然界で生き残るために笹や竹を食べることを選んだ結果、ともに物を掴むのに適した手に進化した様子について、それぞれのパンダを比較しながら観察できるようにします。
また、どちらのパンダについても生息地の環境・風景を取り入れ、レッサーパンダでは、木登りができる自然木や泳ぐ姿を観察できる水場を設置し、その本来の行動を引き出せるよう工夫します。
左側のウミネコ展示場とその後ろの傾斜地(フクロテナガザルの展示予定地の下にある土地)から水禽池の辺りまでがジャイアントパンダの、右側のペンギンの展示場辺りがレッサーパンダの展示予定地。
しっかりとリンゴをつかんでお食事中のレッサーパンダ。
元々「パンダ」とはレッサーパンダを指す名称でしたが、ジャイアントパンダの発見後、こちらには「小さい」という意味の「レッサー」が付け加えられました。
ジャイアントパンダ、レッサーパンダとも前足の指は5本で、すべて同じ方向を向いているため、本来はものを握るのは得意ではないはず。
それなのに、どちらのパンダも上手に食べ物を掴めるのはなぜ…?
当園のレッサーパンダ展示場では、レッサーパンダの前足の秘密について解説していますので、ぜひおいでください。
木登りが得意なレッサーパンダ。
新しい展示場では、木登りに加え、これまで観ることができなかった泳ぎなど、レッサーパンダの様々な能力や魅力をより引き出せるようなつくりにします。
ご期待ください!
○アカカンガルー
レッサーパンダのお隣、いまはラマがいる辺りには、オーストラリアを代表する動物の一つであるアカカンガルーが引っ越してきます。
ここでは、カンガルーがいる場所に入って行って間近に観察できる、ウォークスルー方式の展示を採用します。
その優れた跳躍力や、みんなでくつろいでいる様子、母親のお腹の袋から子供が顔をのぞかせている様子などが、これまでよりもぐっと近くで観られるようになるでしょう。
○フタコブラクダ
近くで観ると思ったよりも大きく、そのとぼけたような顔つきと、冬季と夏季で劇的に姿が変わることで、隠れた人気者のフタコブラクダ。
レッサーパンダとアカカンガルーの間の園路を猛獣舎方面に向かって進むと、彼らに出会えます。
エリアⅡの整備は、エリアⅠの整備の終了後、令和11年度(2029年度)から令和16年度(2034年度)まで行う予定です。
冒頭でも触れたとおり、エリアⅡの詳細な計画はこれから練り上げていきますので、随時当園のホームページなどでお知らせします。
最近、「は虫類館がなくなったら、は虫類はどこで観られようになるのですか。」と訊かれることが増えてきました。
リニューアル後、は虫類は、展示する種類を厳選したうえで、「アフリカ産のは虫類はアフリカ園の総合獣舎で」「南米産のは虫類は南米館で」というように、その生息地ごとに展示する予定です。
なお、は虫類館の閉館後、同館で飼育していた動物たちは、それぞれの展示施設がオープンするまで裏飼施設で飼育し、展示はお休みすることとなります。
ひとつの場所で様々なは虫類を観ることができるは虫類館は、長きにわたり当園の隠れた名所の一つでした。
だんだんとお別れの日が近づいてきておりますので、ぜひ今のうちに足を運んでみてください。
次回は、エリアⅢをご紹介します。
お問い合わせ
仙台市建設局 八木山動物公園 管理課
電話:022-229-0122
ファクス:022-229-3159