案内窓口 022-229-0631
ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > ホッキョクグマ 「ポーラ」出産時の経過について(11月29日)
ページID:64870
更新日:2022年11月29日
ここから本文です。
八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
先日、残念なお知らせをすることになってしまいましたが、ポーラが出産から子育てまでをどのようにしていたかご報告したいと思います。
ポーラは10月18日に展示を中止してから、1日3時間程度展示場に出て、まったり過ごしていました。
11月1日撮影
11月に入ると出産の準備が整ってきたのか、お腹いっぱいで餌を少ししか食べなくなってきました。
また、寝室ではベッドを作るように、木のチップをかき出して部屋全面に敷いていました。夜もよく眠り、日中も寝室の中に入ってきて休む姿が見られました。
11月9日の監視モニター よく寝ています
11月14日からは展示場に出すのをやめて、寝室および産室にいるポーラの様子を監視カメラで見守っていました。14日から出産当日まで、ポーラは部屋の中でも動き回ることはなく、伏せて休んでいるか寝ているかのどちらかで、非常に落ち着いているように見えました。
16日の夕方から、ポーラが仰向けに寝て、前後肢を伸ばす様子が観察されました。これは前回の出産時にも見られた出産の兆候です。
11月16日 仰向けになって前後肢を伸ばすポーラ
17日は、朝5時くらいからソワソワし、いきむ様子が何度も見られ、6時過ぎに1頭目の仔が産まれました。飼育員が仔の元気な鳴き声で、出産に気づきました。
11月17日 1頭目出産直後の様子
2頭目は、ポーラの体に隠れて姿は見えませんでしたが、鳴き声から、13時過ぎに産まれたものと考えられます。
ポーラはしきりに仔をなめ、腕の中に優しく抱きかかえるようにしていました。
11月17日 ポーラが仔をなめる様子
職員が2日間、24時間体制で観察し、「ささ鳴き」と呼ばれるホッキョクグマの授乳時の仔の鳴き声を観察することができ、ポーラがしっかり授乳していることを確認しました。
ポーラが水を飲みに行った時などは2頭が一緒になって鳴きながら手足をバタバタさせている様子が見られました。
11月18日 2頭の仔
ほっと胸をなでおろし、出産のお知らせをしようと思っていた矢先でした。
20日の朝、仔の鳴き声が聞こえず、おかしいなと思い監視モニターでビデオを見返すと、仔が動いていませんでした。
動かない仔を見つけた瞬間は信じたくない気持ちでいっぱいでしたが、部屋に入って確認したところ、残念ながら仔は2頭とも死亡していました。
亡くなった原因を究明するために仔の解剖を実施しました。
1頭はミルクをうまく飲めておらず衰弱してしまった可能性があることがわかりました。
もう1頭はミルクをたくさん飲んでいましたが、解剖所見として、ミルクが気管に入っていたのを確認しています。
元気に動き大きな声で鳴く2頭、そして一生懸命世話するポーラの姿を見たときは嬉しい気持ちでいっぱいでしたが、今は深い悲しみに包まれるとともに、ホッキョクグマの繁殖と仔の成育の難しさを痛感しています。
20日以降、ポーラの様子を注意深く観察してきましたが、展示場でまったり過ごしたり、プールに入ったり、おもちゃで遊んだりするなど、体調は良好です。今はとにかく、ゆっくり休んでもらえるといいなと思います。
おもちゃで遊ぶポーラ
ブログ記事一覧ページへ(別画面が開きます)
お問い合わせ
仙台市建設局 八木山動物公園 飼育展示課
電話:022-229-0122