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更新日:2024年2月24日

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園長ブログ マダガスカル訪問記 第16回(2月24日)

八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」

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人々の暮らし編(その2)

学校

こちらは、女王宮近くにある公立のアンカジナンジアナ小学校。既に下校したのか、子供たちの姿は見かけませんでした。
マダガスカルの小学校は5年制で、6歳から11歳まで通います。
ちなみに、マダガスカルの義務教育は小学校までです。また、マダガスカルでは、小中学校でも留年制度があり、卒業資格を得るには試験に合格する必要があります。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 小学校
アンカジナンジアナ小学校

こちらは、同じく女王宮の近くにあった中学校。校庭では体育の授業中でした。
中学校は4年制ですが、先ほどご紹介したような事情から、様々な年齢の生徒が在籍しているそうです。
ちなみに、小学校卒業資格の試験では、フランス語習得の度合いが合否の分かれ目になることが多いようです。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 授業
中学校の校庭では、バスケットボールの授業中。

帰国後に読んだレポートによれば、マダガスカルでは教育制度の改革を進めており、小中一貫の9年制に移行中とのことです。
また、教科書や正規の資格を持った教員の不足が深刻だったり、都市部と農村部の就学率や教育支出の格差が大きかったりと、やはり経済的な要因による課題があるそうです。

顔写真入りTシャツを着た子供たち

空き地でサッカーをしている子供たち。
よく見ると、誰かの顔写真入りのTシャツを着ている子がいます。
マダガスカルでは、この子のほかにも、顔写真入りTシャツを着ている人々をたびたび見かけました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 オレンジ色のTシャツ
鮮やかなオレンジ色のTシャツの背中には、スーツ姿の男性の写真が。

ガイドさんに尋ねてみたところ、これは、選挙の際に政治家が配った自分の顔写真入りのTシャツとのこと。
マダガスカルでは、大統領選や市長選などのたびにこうしたTシャツが各陣営から配られるそうです。
候補者は自分の移動広告塔を数多く確保でき、もらった人はただで着るものが手に入るので、両者ともメリットがあるのでしょう。
マダガスカルでは2023年11月に大統領選挙があったばかりですが、現地ではこうしたTシャツをたくさん見かけることができたと思われます。

子供たちの遊び相手

女王宮のすぐ近くの木陰で、棒を持って仲良く遊んでいる子供たちを見かけました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 遊ぶ子供たち
仲良く元気に遊んでいた子供たち

棒の先に何かいるようです。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 カメレオン
棒の先には、このブログではおなじみの動物が。

カメレオン(カーペットカメレオン)でした。

周りには住宅や歴史的建造物、政府機関の建物などが建ち並んでいるのですが、近くの木の枝にはカメレオンが何匹か潜んでいました。
数が減ってきているとはいうものの、マダガスカルの子供たちにとっては、まだまだカメレオンが身近な遊び相手であることを改めて実感しました。

マダガスカルの食べ物

現地では、できるだけマダガスカルならではの料理をいただくようにしていました。
マダガスカル訪問記の第1回で、代表的なマダガスカル料理であるラビトゥトゥをご紹介しましたが、改めて現地の食べ物を取り上げてみます。

最初にご紹介するのは、チンバザザ動植物公園の近くにある食堂で食べた、豆と豚肉の煮込みです。
豆と肉の組み合わせの煮込みは、現地の人にとっては一般的な料理です。
この日は大雨で全身が濡れてしまったのですが、この温かい料理を食べて元気を取り戻しました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 豆と豚肉の煮込み
左の皿が豆と豚肉の煮込み。右の皿にあるのは、マダガスカル人の主食であるご飯、間にあるのは「ルマツァツ(「味のないスープ」の意味)というスープ。
左上にわずかに映っているのは、ご飯を炊いた鍋にお湯を入れて作るおこげ茶。

お次は、アンタナナリボのホテルのレストランでいただいた伝統的なウナギ料理、豚肉とウナギの煮込みです。
一口サイズにぶつ切りにした骨付きのウナギをトマトペーストで野菜や豚肉と一緒に煮込んだもので、日本のものよりも太くて大きいマダガスカル産のウナギの食べ方としては一般的なのだそうです。
マダガスカル産のウナギは、10年ほど前には日本に輸出されていたそうですので、皆さんの中にも食べたことがある方がいらっしゃるかもしれません。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 豚肉とウナギの煮込み
手前が豚肉とウナギの煮込み。右上は、もちろんご飯(ちょっと高級品である赤米)。

お次は、アンタナナリボで泊まったホテルで食べたムフガシです。
「マダガスカルスタイル」の朝食を頼んだところ、ヨーグルトやジュースと共に出てきました。
ムフガシは米粉でつくられたパンです。現地の人が朝食に食べることが多い庶民的な食べ物で、タコ焼き器のような型に流し込んで焼いて作るそうです。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 フムガシ
一見パンのように見えるものの、実はお米から作られているムフガシ。
左にある茶色のものは塩味、真ん中のドーナツ状のものはココナッツ入り、右にある白いものは甘い味で、見た目以上にボリュームがありました。

マダガスカル料理を紹介するうえで避けて通れない調味料。
それが、この「サカイ」です。「サカイ」とは、マダガスカル語で「唐辛子」の意味。とにかく辛いペーストで、マダガスカル料理のお店では必ずと言っていいほど見かけました。
これを使いこなせるようになれば、マダガスカル料理の上級者と言えるのではないでしょうか。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 サカイ
これが「サカイ」。一見おとなしそうな見た目で、地元の方々が躊躇なく料理に投入しているので真似をしてみたところ、特に辛いものが苦手ではないにも関わらず、舌が痛くなり大量に発汗することに。
少量から試してみることを強く推奨。
赤や緑の唐辛子の他に、ショウガやニンニクを加えてあることも。

アンダシベからアンタナナリボに戻る道中では、炭売り場のほか、果物などを扱う出店もよく見かけました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 出店
パイナップルやバナナ、カボチャなど、様々な食べ物を扱っている出店。
右側に見えるのはペットボトルにはちみつ(現地では薬として重宝されているとのこと)を詰めたもので、立派な商品。
マダガスカルでは、ペットボトルは万能の入れ物として末永く再利用され続ける模様で、空のペットボトルを大量に扱っているお店も。

こうしたお店でひときわ目立つのが、バナナでした。
マダガスカル滞在中にバナナを使った料理を食べることはあまりありませんでしたが、バナナは古くから各地の小規模農家が生産してきた作物で、現地の人々はよく食べているそうです。
日本ではあまり見かけない種類のバナナもありました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 様々な種類のバナナ
様々な種類のバナナの販売風景。ガイドさんによれば、マダガスカルには、いわゆるモンキーバナナや、大きくて調理してからでないと食べられないものなど、4種類のバナナがあるとのこと。
なお、ここでも、鉢の代わりにペットボトルが大活躍。

せっかくなので、日本ではなかなかお目にかかれないモンキーバナナを食べてみることにしました。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 バナナ
この大きさで十分に成長・成熟しているとのこと

どちらかというと甘さは控えめで、私には日本で食べなれたバナナの方が合っていましたが、甘いものが苦手な職員には大好評でした。

朝の風景

最後に、マダガスカルを離れる日の朝に見かけた風景をご紹介します。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 疾走するスクーター
通勤・通学で賑わう道を疾走するスクーター。
我々が見た中では、バイクやスクーター1台の乗車人数としては最多記録。
人通りの多い場所では、歩道で様々なお店が営業中。マダガスカル訪問記の第1回でもご紹介したとおり、マダガスカルでは、荷物を運ぶ際に頭を活用するスタイルが主流。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 新聞売り場
道端の新聞売り場。スポーツ紙や、マダガスカル語とフランス語の2種類で発行されているものもあり、かなりの種類の新聞がある模様。

園長ブログ マダガスカル訪問記16 土産物売り
渋滞の車列に果敢に挑む土産物売り。右手に抱えているのはマダガスカルの民族楽器バリハで、左手にあるのはコショウ、クローブ、シナモンなどのスパイス類。
渋滞の車列はビジネスチャンスらしく、パンなどの食べ物を売りに来る人や、なぜか大量のハンガーを抱えて売り込みに来る人も。

 

園長ブログ マダガスカル訪問記16 裁判所
おまけ。女王宮の近くで見かけたギリシャかローマの遺跡と見紛う建築物。その正体は、メリナ朝時代の1881年(明治14年)につくられたアンバトンジャファンジャナ裁判所。
全ての裁判を一般に公開するという王命により、三面が開かれているとのこと。
当時の裁判は、容疑を受けた者に王の前で有毒のナッツから作った薬を飲ませ、罪のない者は生き残り、罪がある者は死亡するというやり方だったとのこと。
古代の日本の「盟神探湯(くかたち・くがたち)」(釜で沸かした熱湯の中に手を入れさせ、罪がなければ火傷せず、罪があれば大火傷を負うとするという裁判のやり方)と似たような発想?

 

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