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ページID:72071
更新日:2023年12月20日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
ナイトサファリの翌日はアンダシベ・マンタディア国立公園内を巡り、引き続き動物保護の状況やガイドの活動の様子などを拝見しました。
ここで暮らしているインドリは早朝に活動することが多いとのことで、我々も早い時間に宿を出ました。
国立公園までの道中では、このような風景が続きます。
何の木かお判りになるでしょうか。
この写真の右側に見えるのは、ユーカリの森です。
もちろん、マダガスカルに元々あったわけではなく、植民地時代を中心に植林されたものです。
ユーカリは成長が早いため、木材の利用を目的とした植林で好まれる樹種で、いま現地では調理用の炭などに使われています。
しかしながら、ユーカリの葉には毒があるため、これを克服したコアラなどを除いては、生き物の餌には適しません。
一見、青々と茂った立派な森に見えますが、実際は、マダガスカルの生き物が命を繋いでいくのに適した場所とは言えないのです。
森で暮らす生き物のためには在来種の樹木によって森林が回復することが理想ではありますが、急速に森林が減ってきているマダガスカルでは、このユーカリが、荒れ地を迅速に緑化して土壌流出を防いだり、炭にする木材を手に入れるために原生林を伐採するのを食い止めたりする砦となっているのも事実です。
こうした森で生物多様性を回復していくには、いまユーカリが果たしている役割を担うことができる在来種の樹木は何なのか、周辺の住民や森で暮らす生き物に大きな負担をかけずに樹種を置き換えるにはどうすればよいのか、ユーカリから在来種への全面的な置き換えが難しい場合に次善の策として何かできることはないのかなど、様々な事柄を検討して、かえって環境が損なわれることのないように慎重に人の手を加えていく必要があると思われます。
なかなか舵取りの難しい問題ですが、マダガスカルの人々が英知を結集し、かつてのような生物多様性に富んだ豊かな森林を取り戻す日が来ることを願っています。
公園の入り口で、昨晩もお世話になったガイドさんたちと合流。
事前にトイレにも行って、万全の体制で森に向かいます。
ちなみに、ここのトイレは、日本の要人が訪問するのに合わせて日本企業の支援で作られたとのことで、マダガスカルではとても貴重な、きれいな公衆トイレです。
公園内にトイレはないので、ここを経由してから森に入ることをお勧めします。
公園入口にある案内の看板
少し道を進むと、川にたどり着きました。
ここに架かる橋を渡ると、いよいよインドリたちの住む森です。
しばらく進むと、ガイドさんは二手に分かれ、お互いに携帯電話で連絡を取り合い、お目当てのインドリを探します。
かすかなインドリの鳴き声を敏感に聞き取って、森の奥へ奥へと進んでいきます。
川を渡ってすぐのところで出会った大きなアリの巣
国立公園内の様子。ここにはユーカリの姿はなし。
右手に見える大きな植物は、タコノキ(ちなみに、一緒に写っている人物の身長は175センチメートル)。
マダガスカル東部で良く見られ、家屋の壁の材料にも使用される、現地では身近な植物。
インドリを探す間にも、いろいろな生き物と出会いました。
※ここから、は虫類、両生類、虫の写真が続きます。
これらが苦手な方はご注意ください。
マダガスカルツリーボア。
朝方でまだ体が温まっていないせいか、あまり動きは見られず。
どこになにがいるでしょうか?
(答えはこのブログの最後にあります。)
アフリカオオヤスデ。
身の危険を感じると悪臭を放つ液体を分泌。
この液体には虫よけ効果があるため、キツネザルが噛みついて分泌させ、自分の体に擦り付けて利用することも。
チョウのなかま
セミの抜け殻
キノコ類
そうこうしていると、ガイドさんの動きがあわただしくなり、先行していたガイドさんが指示した場所に集まることとなりました。
果たして、八木山動物公園の一行は、インドリを観ることができるのか。
それとも、前夜のカメレオンの二の舞となってしまうのか…。
この続きは、また次回に。
※6枚目の写真の中央やや右よりで落ち葉に紛れているのは、マダガスカルハネガエル(英名:Madagascar Jumping Frog)でした。
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