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更新日:2023年12月4日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
今回のアンダシベ・マンタディア国立公園の訪問にあたっては、現地での動物保護の状況、実際のガイドの様子やガイドとしての力量を把握するために、前回のブログでご紹介したガイドのグループに、夜と朝に森を案内してくれるようにお願いしていました。
夜に森を巡るナイトサファリは、カメレオンの寝姿などが観られるとして人気があり、観光の大きな柱の一つとなっています。
アンダシベ駅には植民地時代に建てられた立派な駅舎があり、夕方になったら改めてその前で合流することとしました。
とても立派なのに暗くなっても明かりが燈らない駅舎
早めに目的地に着いたので、周りを少し探検してみることに。
駅舎の後ろに回ってみると、線路の向こうに鉄道関係のものと思しき建物を見つけました。
かなり年季が入っていて、この建物からは鉄道が現役である雰囲気は微塵も感じられませんでしたが、駅の構内には道中で見かけたものと同型と思われる機関車が停まっていました。
歴史の重みを感じさせる建物。
後ほど機関車の運転士さんに訊いてみたところ、昔は職員寮、現在は倉庫として使われているとのこと。
駅構内に停まっていた機関車。
休憩中の運転士さんが、近くで写真を撮るように声をかけてくれました。
これらを眺めていたところ、突然、右手から新手の機関車が現れました。
何かをけん引しているようです。
旅客列車でした。貨車も連結されているようです。
機関車を先頭に貨車と客車が連なる列車
かなりの乗り降りがあり、荷物の積み下ろしも行われ、10分以上停車していたと思います。
その間、車内には灯りが燈り、乗客の姿が浮かび上がりました。
列車は、立派な駅舎のホームではなく、線路の間に設けられたホームに停まりました。
ホームより列車の方がはるかに長いので、直接地面に降りる乗客も。
降りた乗客は、線路を横切り、駅舎の脇を通って外に出ていきます。
線路を横断しても、駅員さんからのおとがめはなし。
左側に見える立派な駅舎は、どうやら閉鎖されている模様。
明かりが燈った客車。
よく見ると、車体に書かれた「LE TRANS LEMURIE EXPRESS」の「LEMURIE」の「L」の字はワオキツネザルのしっぽ?
帰国後に調べてみたところ、マダガスカルには北部と南部の2つの鉄道網があり、このうち北部鉄道網については、「マダレール」という株式会社が運行を担っています。
「マダレール」の路線は貨物輸送が主流ですが、同社のホームページによれば、マダガスカル最大の港があるトアマシナの町と首都のアンタナナリボをつなぐ路線のうちアンビラ・レマイツォという海辺の町とムラマンガという町の間では今でも旅客営業を行っており、アンダシベはこの区間に含まれていたのです。
週に2往復という日本では想像できないような極めて少ない運行本数ではありますが、この日の様子からすると、地元では貴重な交通手段のようです。
この路線が全通したのは、1913年(大正2年)と百年以上前とのこと。
2000年代に大規模な保線作業が行われたそうですが、この駅の構内の線路はあまり手入れが行き届いていないようで、私たちが見送った列車は、かなり揺れながら、そろりそろりと旅立っていきました。
夕闇が迫る中を去っていく列車。ぎりぎりまで名残を惜しむ人々の姿も。
マダガスカルの鉄道に乗ってみた方々の体験記も拝見しましたが、地元の方々から見れば高額な料金のうえに時間もかかり(時刻表によれば、この路線では片道9時間)、もちろん定時運行は望むべくもないようです。
しかし、車窓からの景色は素晴らしいとのことですので、整備や管理が行き届いた鉄道では物足りない方は、国立公園探訪と併せてぜひ挑戦してみてください。
次回は、コミュニティ・フォレストであるVOI MMA Visit Parkを訪れたナイトサファリの様子をお届けします。
おまけ。
アンタナナリボ市内のJICA事務所を訪問した際、けたたましい音に驚いて窓外の様子をうかがったところ目に飛び込んできた「マダレール」の貨物列車の走行風景。
JICAの入居しているビルの傍には線路があり、時たま汽笛を轟かせながら走行する列車の姿を見かけるとのこと。
おまけその2。
アンダシベへの道中、ムラマンガの街で見かけた、「ムラマンガ機関庫」と思しき施設。
あまり現役感はないものの、左手と奥の方には、JICA事務所から見た貨物列車のものと同型と思われるタンク車の姿が。
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