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ホーム > ブログ・SNS > 八木山動物公園スタッフブログ「八木山ZOO通信」 > 園長ブログ 当園の施設長寿命化再整備計画について 第1回(5月20日)
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更新日:2024年5月20日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
ゴールデン・ウィーク期間中には、他にもたくさん魅力的な場所やイベントがあるにも関わらず、大勢の方々がご来園くださいました。
改めて御礼申し上げます。
今回も、連休後半には特別イベントをご用意し、いずれも好評だったのですが、特に、アオダイショウに触れることができるイベントの人気ぶりが印象に残りました。
この時活躍したヘビは、は虫類館で飼育しているのですが、このは虫類館が今年の秋に閉館することをご存知でしょうか。
レンガ造り風の外観が印象的なは虫類館と、隠れた人気スポットであるカメハウス(左側手前)。
カメハウスでカメたちの暮らしぶりを間近に観ることができるのも、今シーズンが最後。
なお、八木山球場時代のホームベースがは虫類館の入り口付近にあったとする説も。
また、東門側では、腕や尾などを巧みに使って立体的に活動するサルたちが人気でしたが、こちらも檻や建物が昔からほとんど変わっていないことにお気づきでしょうか。
チンパンジー舎。屋外展示場などの改修を行っているものの、本体は完成当時のまま。
左奥に見える壁画は、開園式では当時の市長と手を繋いで園内を回り、自転車や竹馬を乗りこなすなど、芸達者で人気者だったチンパンジーの「賢坊」を偲び、昭和46年に寄贈されたもの。
檻が立ち並び、様々な種類のサルを観ることができる類人猿舎。こちらも完成当時の姿を保つ貴重(?)なもの。
当園では、多くの施設や設備が、作られて以降大きな改修などを受けないで使用され続けており、老朽化や、最近の動物飼育の方向性にそぐわない部分があるなどの課題が生じておりました。
こうした状況を踏まえ、当園では、令和3年8月に施設長寿命化再整備計画を策定し、園内の大規模なリニューアルを進めることとしました。
これまでは施設の設計などを中心に取り組んできましたが、今年度(令和6年度)は、は虫類館の解体など、来園者の皆様にも見える形で事業が進む予定です。
詳しくは当園のホームページを見ていただきたいのですが、このブログでも何回かに分けてご紹介したいと思います。
仙台市の動物園の歴史は、遠く昭和11年(1936年)にまで遡ります。
この年、広瀬川河畔の評定河原の地に「仙台市動物園」が開園しました。
東北では初、国内では11番目の動物園でした。
「浅草花やしき」の動物園の閉園に伴いやってきた動物や、市民から寄付された動物などを展示して人気を集めましたが、戦局の悪化により昭和19年に閉鎖され、翌年の仙台空襲で被災し廃止されました。
その後しばらくの間、市内に動物園がない状態が続きましたが、昭和32年(1957年)に三居沢(三居沢交通公園のある場所)に子供動物園として復活しました。
しかし、アジアゾウなどの大型の動物が来たりするうちにだんだんと手狭となり、子供たちから仙台市に対し、新しい動物園を作ってほしいとの要望が寄せられるようになりました。
こうした動きを受け、昭和40年(1965年)10月15日、かつては日米野球親善試合が行われた野球場の跡地を含む現在の場所に、八木山動物公園が開園しました。
「できるだけ自然を残す」「無柵放養式(動物と観客の間に檻や柵がなく、放飼場にいる動物を直接見ることができる展示方式)を採用する」ことを大きな方針として整備された当園ですが、この時完成していたのはいまの東園の一部だけで、サル山の完成は昭和42年(1967年)、アフリカ園(西園)の完成は昭和44年(1969年)でした。
昭和53年(1978年。宮城県沖地震のあった年です。)には虫類館とゴリラ舎が、昭和62年(1987年)にはレッサーパンダ舎等が完成し、園内の整備は一段落しました。
それ以降、平成11年(1999年)にはアフリカ園のリニューアルを、平成14年(2002年)には猛獣舎のリニューアルを行い、平成22年(2010年)にはビジターセンターを新設し、平成29年(2017年)にはふれあいの丘の整備を終えました。
しかしながら、これら以外の施設・設備では部分的な更新や事後的な修繕を行うにとどまっていて、老朽化が原因で不具合が生じることもあります。
壁のひび割れが目立つチンパンジー舎の屋内観覧通路
コンクリートの劣化が進む類人猿舎
また、動物の飼育・展示の環境についても、整備した当時は主流だったものの、最近の動物福祉の考え方や動物の生き生きとした姿を見てもらうのにはそぐわない、檻型展示(類人猿舎)や見下ろし展示(サル山)などが残っています。
当園では、平成29年12月に「八木山動物公園運営方針」を全面改訂し、中長期的な観点に立って当園の運営の方向性を定めました。
その中で、老朽化をはじめとした施設上の課題を重要なテーマと位置付けて、「施設の長寿命化等計画を策定し、八木山動物公園全体の長寿命化対策を進めるとともに、長寿命化対策と十分に整合を図りながら、動物園の魅力アップのための再整備を行う」こととしました。
これを受けて、平成30年度より園内施設の調査を始め、施設・設備の老朽化の状況や改修等の優先度を把握・整理しました。
併せて、展示施設や売店や休憩所などの便益施設の状況、冬季や雨天時への対応、園路の勾配などに関する課題の整理にも取り組みました。
これらの結果を踏まえ、施設の長寿命化に併せて、次のような方針で再整備を行うこととしました(主なものを抜粋しています。)。
○檻型の展示施設等は廃止し、動物の健康や生態に配慮しながら、生き生きとした動物の姿を見てもらえるような施設にする。
○冬季や雨天時でも快適に観覧できるよう、屋内展示施設の充実を図り、屋外観覧場所には庇を設置する。
○園路の勾配を緩和するため、観覧ルートの再検討や土地の造成等を行う。
○休憩所・トイレについて、園内全域でバランスよく、過不足のない配置を行う。
動物園のリニューアルを行うにあたっては、いったん完全に閉園する方法もありますが、当園では、園内を3つのエリアに分け、開園しながら順繰りに事業を進めることにしました。
今後、観覧が制限される場所や動物が出てきますが、整備期間中もできるだけ多くの動物たちをご覧になっていただけるように努めてまいります。
次回は、リニューアル後の展示のコンセプトと、3つのエリアの位置づけについてご紹介します。
お問い合わせ
仙台市建設局 八木山動物公園 管理課
電話:022-229-0122
ファクス:022-229-3159