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更新日:2023年7月12日

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園長ブログ 八木山動物公園の「日本一」〈アフリカゾウ「メアリー」編〉(7月12日)

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八木山動物公園の「日本一」(アフリカゾウ「メアリー」編)

実は、当園には「日本一」がいくつかあるのですが、残念ながらあまり知られていないようです。
せっかくですので、このブログでご紹介していこうと思います。

今回の主役は「メアリー(メス)」です。「メアリー」は、現在飼育されているなかで日本一長生きのアフリカゾウなのです。
「メアリー」はアフリカ生まれで、誕生年は昭和41年(1966年)と推定されています。

ちなみに、この年の日本では、「ビートルズ」がやってきたり、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「銭形平次」「すばらしい世界旅行」のテレビ放送や「巨人の星」の連載が始まったり、建国記念の日・敬老の日・体育の日が祝日として制定されたりしています。
「メアリー」が当園にやってきたのは、その17年後の昭和58年(1983年)。東京ディズニーランドが開園し、NHK連続テレビ小説「おしん」が大ブームを巻き起こした年です。

当園に来る前は、九州の宮崎にあったサファリパークで暮らしていました。
長い旅を経て当園が安住の地となった「メアリー」は、今年で推定年齢が57歳となりました。
国内のアフリカゾウの最高齢の記録も同じく推定57歳ですので、記録更新が視野に入ってきています。

R5 園長ブログ 日本一 メアリー編1
隙あらば砂浴び。
砂の品質にこだわりがあるのか、地面を足で削って作った「マイ砂」を浴びることも。

まだまだ元気で、若いころと同様に日課の砂浴びに余念がない「メアリー」ですが、一度だけ大きく体調を崩したことがありました。
平成25年(2013年)の11月、飼育員が出勤してみると、「メアリー」が寝室に横たわっており、自力では立ち上がれない様子でした。
アフリカゾウのように体重が重い動物は、横になったままだと内臓に負担がかかってしまい、命にかかわりかねません。
このため、当園のアフリカゾウの寝室には、いざというときにゾウの体を天井から吊って支える設備が用意されているのですが、初めてこれを使って、「メアリー」の体を引き起こしました。

懸命にお世話を続けた結果、「メアリー」は少しずつ食欲と元気を取り戻し、やがて以前と同じ暮らしができるようになりました。
幸い、その後は大きな病気やけがもなく、国内の最高齢記録に並ぶところまで来ました。

穏やかな性格で、たくさんの方々とのふれあいも苦にせず、「えさやり体験」や「アフリカゾウの鼻実験」などのイベントで大活躍してくれる「メアリー」。
当園で最も間近に観ることができるアフリカゾウです。
毎朝近くにいる飼育員の長靴の匂いをチェックしたり、「えさやり体験」の間に自分の寝室で物音がするとチェックに行って、気が済むまで帰ってこなかったりと、当園にいる3頭の中で一番の慎重派でもあります。
こうした性格は、野生では様々な危険・危機を避ける上で役立つと思われますが、飼育下で長生きする上でもプラスに働いているのかもしれません。

R5 園長ブログ 日本一 メアリー編2
「メアリー」と向かいあえる「えさやり体験」は、毎日午後1時15分から。
先着制・20組限定なので、お早めに。
巧みな鼻の動きを間近でご堪能ください。

 

屋内展示場からは観ることができない、「メアリー」の寝室での様子をご紹介します。

R5 園長ブログ 日本一 メアリー編3
寝室に戻る時刻が近づき、入り口でお行儀よく待つ「メアリー」。

R5 園長ブログ 日本一 メアリー編4
寝室に戻ると、まずはハズバンダリートレーニング。
飼育員と比べると、体重が約4トンに及ぶ「メアリー」の大きさが実感できます。


ハズバンダリートレーニングの後は、お待ちかねのディナー。
この日のメニューは、青草70kg、乾草10kg、稲わら4kg、ヘイキューブ(乾したアルファルファを固めたもの)5kg、大型草食動物用ペレット5kg、バナナ1.5kg、「えさやり体験」で食べた分も含めてリンゴ5kg・ニンジン10kg。
大変な量に思えますが、朝にはほぼなくなっています。

「メアリー」は、今でも健康状態は良好ですが、年齢を重ねるにつれ、昔ほどの食欲はなくなり、動作もゆっくりになってきています。
これからもできる限り長く当園で暮らしてもらえるよう、日々の様子を的確に把握するよう努めるとともに、体の負担を考えて、寒い時期にはできるだけ長く温かい寝室でゆっくりと過ごしてもらい、放飼場には午前10時ころに出すようにしています。

今年は来園40周年の節目の年で、記念のイベントを予定しておりますが、さらに還暦や来園45周年のお祝いができるよう、引き続きメアリーの健康管理にしっかり取り組んでまいります。

 

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