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更新日:2023年11月2日
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八木山動物公園スタッフブログ「八木ZOO通信」
今回のマダガスカル訪問の目的のひとつに、当園の希少動物保全活動の支援の今後の方向性を探ることがありました。
当園では、マダガスカルの希少な動物を生息域内で保全する活動を後押しする方策についてチンバザザ動植物公園と協議している最中なのですが、現地の実情を把握するため、その活動候補地の1つであるアンダシベ・マンタディア国立公園を視察することとしました。
国立公園まで、首都のアンタナナリボからは自動車で4時間ほどかかります。
アンタナナリボの郊外には、海外からの支援で建設されたという立派な道路が広がっていましたが、やがてこうした状況が目につくように。
路面も路肩も痛みが目立つ道路
アンタナナリボからアンダシベへ向かう道を更に東に進んでいくと、マダガスカル最大の港であるトアマシナ港につながっていて、そこで荷揚げされた貨物が陸路で運ばれてくるのですが、負荷が大きいせいか、道路のあちこちにひどい傷みが見られます。
日本では到底考えられない状況ですが、どうやら道路の修繕はマダガスカル政府にとってはあまり優先順位が高くないらしく、街なかと郊外とを問わず、こうした光景をたびたび目にしました。
そうした中を大型のコンテナを積んだトラックが容赦なく(しかし、そろりそろりと)走っていくので、渋滞が起き、道路の痛みも更に進みます。
常に路面の状況に注意を払う必要があるので、平らな舗装道路に慣れている外国人にはとても運転できるものではありません。
これでは輸送に要する時間も費用も増える一方で、全体ではかなりの経済的な損失が出ているのではないかと思われました。
穀物を干している民家をかすめるようにして通過する大型トラック。
住民は穀物を載せたシートの端を折り曲げて協力中。
バイパスが発達していないため、大型の車両も街なかを通過することに。
その結果、目抜き通りでも徐行が必要な状況に。路面に大穴が開いていて交互通行を強いられるところも。
ちなみに、スクーターの後ろを走っているのは「プシプシ」(英語にするとPushPushの意味)と呼ばれる輪タク。
郊外では、道路の穴を土で埋めている人々をたびたび見かけました。
やっと修繕工事が始まったのでしょうか?
工事の作業員には見えない人々が路面の穴を埋め、車に向かって手を差し出す理由は?
そうではありません。(おそらくは当局の許可を得ずに)自主的に道路を修繕した方々が、通り過ぎる車に向かって対価を要求してくるのです。
この様子を観て、マダガスカル人のガイドさんと運転手さんは、「マダガスカルに新たな産業が誕生したね。」と冗談を飛ばしていました。
ただし、我々が見た限りではお金を払っていく車はなく、かなり効率の悪い「産業」のようでした。
道中では、日本と同じく稲作の国であるためか、どこか懐かしさを感じる景色も見られました。
田んぼの中を蛇行する小川。
道中では、この写真の風景の右手にあるように、木々がまばらで草原と化した丘にたびたび遭遇。
田んぼの中にたたずむ少年
高台から見た田園風景。景勝地として有名な場所とのこと。
山道でも活躍するゼブ牛
アンタナナリボでは、街なかに立派な駅舎があり、そこを起点に「独立大通り」という目抜き通りが伸びています。
植民地時代に敷設されたマダガスカルの鉄道は、いまは外国資本の会社が貨物営業を中心に運営していて、この駅での旅客営業は廃止されたと聞いていました。
アンダシベへの道中では道路沿いにちょくちょく線路を見かけましたが、やはり列車が走っている気配はなく、「ここに旅客列車を走らせれば素晴らしい車窓を堪能できるに違いないのに、もったいない。」と思って眺めていました。
列車が来ない線路を、歩道やベンチとして有効活用。
線路の向こうには、素敵な田園風景が。
しばらく線路と並走していると、1両で快走する機関車に出くわしました。
この路線が現役だったことに驚くとともに、「次は列車に出会えるかもしれない。」という淡い期待を抱きましたが、その後線路上で見かけたのは歩行者ばかりで、マダガスカルの鉄道事情は謎に包まれたままでした。
突然現れ、我々を追い抜いて行った車両。後部には乗客と思しき方々の姿も。
10月の最終金曜日は、「世界キツネザルの日(World Lemur Day)」。
当園では、この日にちなみ、毎年「マダガスカルデー」を開催しています。
令和5年の「マダガスカルデー」は、11月5日(日曜日)です。
キツネザルのお話やマダガスカルの人々の暮らしの紹介のほか、マダカスカル産バニラを使用したアイスの販売も予定しています。
マダガスカルに興味をお持ちの方は、ぜひお出でください。
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