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更新日:2016年9月20日

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年頭所感(発表内容)

新年を皆さまとお迎えできますことを、うれしく思います。記者の皆さまにも昨年は選挙もありましたし、震災に引き続きさまざまにお忙しい中、ご苦労が多かったことと存じ上げますが、良い年をゆっくりとお迎えになられたことと思います。

さて、本年の年頭にあたりましては、先ほど職員への訓示でも述べさせていただきましたが、策定した復興計画がいよいよ具体に動き出す、初年度の大切な時と考えています。ここでしっかりと基礎を固め、方向性を間違わずに線路を延ばし、そして馬力をかけてまいります。今後5年間と定めている計画期間の最終年度に、いかに高いところに到達できるかは、初速の全体としての立ち上がり、その持ち上げ方によるのではないかと思っています。

そういう意味では、改めて仙台市というまち、そしてまた仙台市役所という組織の総合的な力が、これほど問われている時はないと考えております。

私自身としましては、これまでも市役所の総力を挙げて、ということを念頭においてまいりましたけれども、その市役所の総力に加えて、今年はさらに民間の皆さんの力、さまざまな学術機構の力、そういう産学官の総合力を組み立てていくべき時であると思っています。大学でも復興に向けた大学としてのさまざまな計画をお作りです。そうした学としてのプラン、また行政としてのプランなどが一体的になってこのまちに展開されていくよう、その一体性の構築がこれまで以上に重要だろうと思っています。

皆さまもいろいろな機会にご懸念や疑問を持たれますように、役所には役所の文化、いわゆる行政としてのものの考え方があるわけですが、この復興という経験のない道を歩いていくためには、過去のそうした文化にとらわれていたのでは、新しいものをブレイクスルーしていくことは難しいと思います。私どもにとって、自分たちがこれまで築き上げてきたものや、過去の業績そのものを文化として乗り越えていく、壊していく、そういう打破の気概をどこまで持てるかということが、今年度の一つの大きな課題だと思っています。

改めて昨年を振り返ってみますと、昨年は3月11日の東日本大震災という未曾有の事態が1年を全て規定してしまったような年ではありましたけれども、その中で、今となっては遠い過去のように思われますが、例えば東京エレクトロンの工場や研究所の稼働、セントラル自動車工場の稼働、そしてトヨタ関連の3社の合併とその本社の県内設置など、去年や一昨年の暮れに予定されていたものは、時期の遅れはあっても全て何らかの形で、この震災を越えて先へ進むことができました。

また、アンパンマンこどもミュージアムも、昨年4月オープン予定が3カ月ずれて7月になりましたが、無事開館し入館者数も予想を超え大変盛況でございます。

震災前から進んでいたアマゾンジャパンの大規模なコールセンターの立地も、4月頃の営業開始に向けて今着々と準備が進んでいます。

この仙台が持っているポテンシャル、その可能性に従前から注目をしていただいていた皆さまには、今回の震災によっても、何ら仙台に対する評価を変えることなく、さらにより高いものを共に目指す形で、この間ずっと続いてきたわけです。そうした信頼に応えるだけのことを、我々もしてきたことは私どもの街にとって大きな実績であり、市民の皆さまも自信を持っていただいてよいのではないかと思っています。

この間、多くの新しいプロジェクトの方々とお話をさせていただきましたが、皆さま一様に、決してこの震災が仙台、宮城を大きく損ねてダウンさせるものではない、一時的なくぼみはあるだろうけれども、必ず末来に向かってさらに伸びていく一歩になるはずだと、強く大きな期待を示してくださっています。

私がとりわけうれしく思いましたのは、今回の震災後に地元宮城県や仙台市で採用いただいた皆さまに、採用して半年後に東京本社での研修などで、就職して半年の経験を話してもらったところ、非常にしっかりとした仕事に対する意欲と、震災をきちっと受け止めて、なおしっかりと進んでいく気持ちを話してくれたので、全国から採用された同期の人たちに大変大きな刺激になりよかったということです。

人材としての確かさを仙台に期待しているという話を何人かの方からいただきました。復興に向けての仙台、宮城の最大の財産というのは人材であり、人材の養成が大切であると改めて強い気持ちを持ったところです。

復興計画でも、さまざまなプロジェクトを推進してまいりますが、その根本に仙台が持っている「人を育てる力」をしっかりと置くことを、年頭にあたって私も再度自分自身に確認をしながらこの1年の励みとしてまいりたいと思います。若い方々が震災にもかかわらず、しっかりと力を振るえる場所を仙台、宮城の中により多く作っていく。それに向けて私自身も、仙台市も頑張ってまいりたい。そのためにまた皆さまの引き続きのご支援とご理解をお願いしたいと思います。

今年もよろしくお願い申し上げます。

仙台市長 奥山 恵美子

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