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更新日:2016年9月20日
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今回、広島市の状況をわれわれも消防や危機管理室とともに情報収集に努めています。予測も警報の出し方も大変難しい、困難な事例であったと思います。居住地として危険性の大変高い地域であるということを、いかに市民、住民の皆さんと共有していくか、そのうえで備えていくかが、あらためて土砂災害の場合、大事だという教訓につながると思います。
村井知事もできるだけ早く前倒しでということをおっしゃっていましたが、住民の皆さんにその地域の特性をきちんとご説明を申し上げて、住民とわれわれが危険性にどう対処するか、同じ方向性で向き合っていくことを加速していくのが大事だと思います。仙台でも危険性の高い地区が510カ所ありますので、県には可能な限り早く、われわれとともに説明に入っていただけるような資料作りをお願いしたいと思っています。
確かに宅地についての危険度を明示することについては、いろいろな反対が過去にあったことも事実です。しかし東日本大震災で仙台市にたくさんの宅地被害があり、それも根っこは同じ性格のものです。
震災の後、宅地の造成履歴について開示するべきという意見が非常に強くなり、またわれわれも当然そのことは今後の災害を防ぐ上で必要だということで、仙台市ではすでに現在、ホームページ上に宅地の造成履歴を公開させていただいています。東日本大震災の教訓をもとに、今回のことと本質的には同種のことに対して、すでに情報開示に踏み込んでいる形になっています。
そのことをしっかりとご認識いただけば、起こる理由が豪雨であろうが土砂災害であろうが水害であろうが、いろいろな自然災害に対して危険性のある地域については、できる限りの情報開示をして情報共有する。それが法的に義務づけられるものか、自主的なものかは、まだまだ現状ばらつきがありますが、一般的に開示をしていくことが先決です。そういう形で、人命を守ることを共有していくことが大事です。そのことはしっかり市民の皆さまにも訴えさせていただきたいと思いますし、また現に仙台市はそうなっていることがたくさんあるんだということも、しっかりとお伝えしていきたいと思います。
われわれが勧告を出す基準については、昨年の伊豆大島の災害の後に検討して、先の常任委員会でお示しさせていただいたように、向こう2時間先、3時間先の降雨量がどういう変化になるかと、土中に溜まった水、雨水の量との勘案の中でやっていくということです。
ただ今回の広島の状況は、従前に雨量が少ない予測しか出ていなかったことを考えると、われわれの新基準でも、相当ギリギリにならないと情報を出せなかったのではないかという危惧は私も持っています。一方では、数字だけに頼った予報をしていくことでは限界があることも考えられます。そうなると事前の準備、つまり数字的な根拠はまだないが、しかし心の準備も含めて避難勧告の準備の予告をするとか、さらにきめ細かい危機意識を住民の方に高めていただくための準備段階の情報提供などについても、もう少し練り上げていく必要があると思います。
一番大事なことは、避難勧告を出すギリギリの時間が、まさに真夜中の、しかも豪雨のさなかだったということが、逃げた方が安全なのか逃げない方が安全なのかで、恐らく広島市の担当でも考えが揺れ動いたのではないかと思います。豪雨の中を逃げたことによって二次災害が発生する恐れ、これも今回の事例を見ますと否定できません。もし事前の予告を出すのであれば、何もないかもしれないが前の日の夕方に出していくしかないわけです。ですから、外れる確率も相当あることも含めて、ご理解をいただいた上での準備情報を、暗くならない、あるいは真夜中にならないうちに出していかなくてはならない。それが今回の大きな教訓だと受け止めています。
広島市長と直接お電話でお話をさせていただきました。東日本大震災でわれわれも広島から大変大きなご支援をいただいていますので、必要な支援があれば、保健師でも避難所運営でも罹災(りさい)証明でも、さまざまな形で我が市の職員を派遣する用意があるということをお伝えしました。広島市長のお答えとしては、当面は岡山市など隣接のところからのご支援、また県との共同作業で進めているので、現時点で仙台市に直接お願いするマンパワーや物資はないとのお話でした。今後いろいろ進めていく中で、特に罹災(りさい)証明などは、宅地が損壊した場合の罹災証明は、ただ住宅が損壊しただけと違う要素がありますので、そういったことについては、今後少し落ち着いた時点で、お役にたてるかもしれません。当面のマンパワーは、必要なだけ広島市内に到達しているというお話をお聞きしたので、今の時点で職員を派遣することは予定していません。
仙台市長 奥山 恵美子
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