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更新日:2016年9月20日

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発表内容以外の質疑応答の概要

(1)沿岸部の集団移転に向けた合意形成で何が課題になっていると捉えているか

今、いろいろな方や地域から、さまざまに声をいただいています。現在、集団移転に関する最終的なお一人お一人の希望を出していただく段階にあります。その中で皆さまに考えていただくポイントになっているのは、ご自分のローンの問題、二重ローンになるのかどうかや、前のローンがどういう形で整理できるのか、支払い続けていかなければならないのか、家族としてどこまで新しい負担が可能なのか、また移転先にA地、B地があったとして、長期的にみてどのようなメリット、デメリットがあるのかなどだと思います。

また、今まで私どもがご説明してきた、さまざまな国の制度や仙台市の独自支援策がありますが、それは総論として説明してきましたので、それを具体にご自身に適用した場合の数字が見えないと最終的な決定はしにくいだろうと思います。

そういう意味では、一軒一軒、お一人お一人の方とマンツーマンのお話を、いかに時間をかけてきめ細かくさせていただくかが大事で、ある意味では非常にマンパワーと時間を要する、胸突き八丁のようなところにきているかと思います。ただ、お一人お一人の方にとっての具体な道筋を見つけていく作業を抜きにして、集団移転はありえない話ですので、職員も大変とは思いますが、しっかりと住民の方々に寄り添っていかなくてはなりません。

もし二重ローンの問題でどうしても難しい金融機関の壁があるのであれば、仙台市として国とまた話していかなければならないかも知れませんし、弁護士の方などからお知恵をいただいて、それぞれのご家族にとっての可能な登り口、道筋を丁寧に見つけていくということを、マンパワーとの兼ね合いの中でもやり抜いていかなければいけないという段階だろうと思います。

(2)荒浜移転まちづくり協議会から、追加支援として8つの項目が要望されたが、どれだけ要望に答えられるのか

皆さまには、いずれ文書でお答えさせていただくと申し上げていますので、今の時点では最終的なご返事の段階ではありませんが、ご要望いただいた項目の中には、我々が今後考え、国などとも協議をする中で、ご要望にある程度従っていくことが可能だと事務的な感触で思う部分と、一方で皆さまの切実なお気持ちは受け止めさせていただきながらも、今の段階では難しいと思う部分と両方ありますので、そこは今後精査した上で、回答と合わせて率直にお話させていただきたいと思います。

(3)要望項目のうちの一つ、復興公営住宅の家賃の低廉化については、8月頃に回答をするとの話があるようだが、具体的にはどのようにするのか

具体的にまだお話する段階まで煮詰まってはいません。ただ、その項目については、いろいろ考える余地はまだありますというお話で、ご回答している段階です。

(4)具体的な回答は8月中にすることになるのか

私自身はまだ、期限については明示してお答えしておりません。

(5)災害支援において私的財産の形成につながるものに公費を投入できない理由は、国の方針だからなのか。仙台市としてもこの考えに沿っているということか

私的財産への支援に税を投入しないという話ですが、基本的に法の体系と運用は少なくとも国の考え方でそうなっています。私どもとしても、基本的に災害法制がその考えに従って運用されている中で、極端にそこから外れた運用は全体を混乱させますので、難しいと考えます。

ただ、全体として総括する時に、絶対的にそれを一歩も超えないで被災者の復旧・復興ができるかとなると、今回の複合的な難しい災害の状況、またいろいろ多発する災害のありよう、違うものが同時に一つの地域で起こっていることなどを考えると、そこに起こり得るいろいろな生活再建に向けての困難性の違いなどを基礎自治体として把握して、可能なところでそれを修正していく必要があると思います。私どももその手だてとして、そこを乗り越えなければいけない部分もあると思います。

それは復興・復旧に向けて、いかにその道にのっていただくかという必要性の中では、考えなければいけないことですが、ただ、税の投入にある種制限がある状況の中で、越えられない部分もあるとは思います。

(6)政府がみなし仮設住宅の期限を1年延長する方針を示したが、所感を伺う。また、それに伴いみなし仮設住宅に対し、新たなサポートや支援は考えているか。

そのような報道になっていますが、正確にはまだ、国からお知らせは来ていません。基本的にはその方向で検討するという国会の答弁もあるようですので、そのように動いていくかと思います。

現実からしますと、復興公営住宅に皆さんにお入りいただく時期なども、この2年の仮設の期限の中で、希望される方全ての分の建築が可能な状況ではないわけですので、仙台市としても仮設の延長が必要な部分は大いにあると思っています。こうした期限の延長は市民の方からいってもニーズがあり、国がそれに応えていくことは必要なことではないかと思っています。

ただ、昨日の会見で知事もコメントしていましたが、みなし仮設の事務手続は契約の時にも大変煩雑な状況があったわけで、仮にこれをやっていくとなると仙台市にとってもかなりの事務手続作業がもう一度生じます。

前回と同じことをもう一度仙台市がやって、また県がやってとなると、スタートの時は後追いでみなし仮設が認められた状況でしたから、あの手戻りもしょうがなかったかかもしれませんが、あれを県と市でもう一回するのは大変な事務作業の発生になりますので、もう少しそこは、合理的な事務作業について、こちら側からむしろ国に提案していく必要があるかと思います。

(7)道州制推進の首長連合が20日に発足し、この中には政令市の市長も16人参加する見込みだが、市長が参加を見送った理由について伺う

明日、春の総会を開きますが、宮城県市長会の中でこの間、国からの地方への権限の移譲があって道州制となるわけですが、この震災復興の中で早急に道州制を進めることにより、今国の地方整備局などでやっている、さまざまな広域的な災害復旧が順調に進まなくなるのではないか、今回の広域的災害で国の出先機関が果たした役割を高く評価する中で、道州制の議論というのは復興が終わるまでは、暫時安易に進めるべきではないといったご意見が、昨年の秋以降県内各市の首長から出ていまして、これは東北市長会の中でも出た議論です。

私自身としては、宮城県市長会の会長、また東北市長会の会長でもありますので、基礎自治体のこれからの権限、特に震災復興において基礎自治体が今後どういうことを力として持ち得るのか、それと国の出先機関との関係、県との関係、これらをしっかりと精査した上でないと、道州制を理論だけで推進するという状況には、少なくとも東北はないと考えています。

私自身は今被災地の基礎自治体の長として、具体の復興の課題がもう少し整理されて見えてくるまで、安定的な行政運営という視点から、道州制の議論はいろいろ勉強していくことは重要だと思っていますが、私自身がそれを率先、推進する者として新たな首長連合に加わる時期ではないという判断で、今回は参加していないところでございます。

(8)当面の間は、道州制推進の首長連合には参加しないということか

私自身は自分が一つの推進力として、参加して何か運動していく状況ではないという認識ですので、当面参加する考えはないです。

(9)市長が目指す特別自治市の実現という意味では、道州制推進の首長連合に参加しないことに矛盾や齟齬は生じないのか

私は基礎自治体の力の拡充ということで、政令市の特別自治市への移行は、今回の震災の中においても、基本的には間違いのない路線だったと思います。むしろ、強く基礎自治体の力があることによって、現地の実情に即した復興が行われるだろうと思っていますので、特別自治市を求める考え、またそのために力を尽くしていくことは特段矛盾することではないと思っています。

今回の道州制のいろいろな議論は、聞くところによると、まだまだまとまった形としてのお話というよりは、呉越同舟という言葉が正しいかどうか分かりませんが、ちょっと私が理解しかねる部分があります。例えば大阪の橋下市長も発起人に入っていらっしゃいますが、政令指定都市として、特別自治市の形でいきたいと思うのはもちろん私もそうですし、地方制度調査会の席上では川崎市の阿部市長も特別自治市のご説明をなさっています。

その阿部市長と特別自治市というか、政令市そのものを、ある程度否定されて大阪都にしたいと言っている橋下市長が同じ発起人として入っていらっしゃるという今回の構成の中で、一体どちらがどうお考えになって、このことの調整をした上での発起人会なのかということも、私自身としては、まだお二方にお話を聞いていませんし、ちょっと考えただけでも理解がつきかねているところもありますので、そういった面も含めて私自身としては、今参加する意思はないということです。

仙台市長 奥山 恵美子

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