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更新日:2023年10月4日

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調査研究報告要旨(平成21年度「仙台市博物館調査研究報告」第30号)

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新刊図録・目録調査研究報告機関誌「市史せんだい」仙台市史

平成21年度「仙台市博物館調査研究報告」第30号には、以下の論文等を掲載しました。

1 史料紹介「領内境目記」ー伊達吉村の軍制整備との関係からー

坂田 美咲

本稿は伊達家文書に含まれる「領内境目記」の前文を翻刻し、若干の考察を行ったものである。本史料は仙台藩の境目に関して記したもので、「上」・「下」二冊からなり、「上」では境目の場所や警固体系、付近の要害や所拝領等の家臣を、「下」では境目番所以外の境目や他国へ抜ける脇道、仙台城からの距離を記している。

本史料の成立年代は享保12年(1727)頃と推定され、史料の形態や料紙等から、同時期に作成された「御軍役御定」などの伊達吉村による軍制整備に関わる史料と一連のものであることを指摘した。

2 小田原参陣時における伊達領の警固体制

菅野 正道

天正18年、伊達政宗は豊臣秀吉の麾下に属することを決し、小田原北条氏を攻撃中の秀吉の下に赴いた。その際、領内の警固のため、他領との境目を中心に重要な城郭に臨時に家臣を配置した。その配置状況を記した「諸境警固賦之日記」を翻刻、紹介し、併せて伊達領における支域制に言及した。

3 十八夜観世音堂菩薩立像に使用された木材の樹種

大山 幹成

星野 安治

鈴木 三男

<付論>十八夜観世音堂菩薩立像の樹種同定結果を受けて

酒井 昌一郎

仙台市の十八夜観世音堂菩薩立像は、奈良時代後期~平安時代初期(8世紀後半~9世紀初頭)の制作と考えられる一木造の仏像である。この時期の仏像用材にはカヤが多く用いられたことが明らかになってきているため、本像に使用された樹種の同定により用材の時代変遷や地域差を考えるためのデータを得ることを試みた。調査手法はデジタルマイクロスコープによる像表面の非破壊観察とし、その結果、像本体の当初材および一部の後補材についてカヤと同定することができた。東北地方において当該時期にカヤ材を用いた作例はこれまで確認されておらず、意義深い結果といえる。また、今回の手法は対象樹種など調査条件が限られるものの、仏像など貴重な文化財を対象とする場合には今後有効な手法と考えられる。

 

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