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更新日:2016年9月20日

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発表項目以外の質疑応答の概要

(1)3月11日を迎えるにあたっての所感を伺う

4回目の3.11を迎えます。大変長い4年間だったと思います。多くの方がまだ仮の住まいにお住まいです。一方、ハード面で見れば、復興公営住宅の建設とか、被災宅地の復旧、また大きな課題である防災集団移転、これらについては、残された仙台市の復興計画の1年の中で、完成の時期を示すことができるようになりました。被災された方々や各工事に携わっていただいた方々のお力のおかげで、ようやくハード面での完成時期をお示しできるまでになった。これは暮らしの再建の面での大きな前進だと思っています。

仮設住宅は、みなし仮設も含めてピークの時から約6割まで入居者が減っていますが、残りの方々の中には、まだまだそれぞれの生活の再建、ご自分たちの足で立っていくには多くの困難がある方がいらっしゃることも事実です。残された復興計画の1年の中で、それらの方々の個別の事情に丁寧に対応しながら、1世帯1世帯の方々について、生活再建という目標に向かってゴールを切る方がどれだけ多く支援できるか、それが一番大きな課題だと思っています。

(2)竹下復興大臣が、集中復興期間後は国費で財源すべてを負担するのは難しいと発言したことについて、所感を伺う

100%は難しいことの具体的な内容の情報がまだ入手できていませんので、大臣の意図がどういうことなのか、詳細が把握できない部分もあります。われわれは常々この5年という期間の中で復興が終わるわけではないということ、たくさんの事業がまだ積み残されているということを申し上げてきました。そして仙台の場合は、ある程度集団防災移転や復興公営住宅のめどは立ちつつありますが、それらがまだ立たない工事期間中、工事着手前の自治体もたくさんあります。それらの自治体がそこに至らなかったのは、決して自治体や被災された方々の働きが不十分であったからではなくて、土地の状況や被害の重さや建設事業の人手不足など、いろいろな事情があってそうなったわけです。

そうした状況を抜きに、一定の期限がきたからそこで入りきれなかったものについては自助努力だというのは、非常に理不尽なことを大臣はおっしゃっているのではないかというのが、率直な第一印象です。そういう難しい状況、多様な困難を抱えている被災自治体に、国としてしっかりと寄り添っていただきたい、もちろんわれわれも今まで復興事業については復興庁を中心にさまざまな査定や必要か必要でないかという議論も踏まえながらやってきたので、その必要な事業経費をしっかりと査定して取り組んでいくことについて異を唱えるものではありませんが、そもそもの前提として5年を過ぎたからあとは自助努力が必要だと今のお話は聞こえます。そのことについて、私は大きな違和感があるというのが率直な思いです。

(3)仙台市は復興計画期間が5年なので、財源問題についても影響はないのではないか

例えば蒲生の土地区画整理事業や避難道路の建設など、現在土地の買収や交渉をしている段階で、まだ着手していない事業もあります。期限がきたから「さあこれからは自分の足ですよ」ということには、仙台市としても納得できない事業は多々あります。

(4)復興財源について、沿岸市町と連携して国に訴えていくことはあるのか

私が東京に行く日程として入っているわけではありませんが、宮城県市長会としての要望でも、この集中復興期間と同等の条件でのさらなる延長を求めることをすでに決めています。それらに向けて、県やそれぞれの自治体と連携しながら、必要とあれば、新年度にもいろいろな形でわれわれの思いを伝えていく活動をしたいと思います。

(5)「(仮)渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」についての受け止めを伺う。仙台でも同様の条例をつくるのか

性的マイノリティの方の権利保障は、この社会がさまざまな立場の方々の多様な権利をお互い認め合うことで成り立つものと考えますので、これから考えていくべき必要な課題であると私自身は受け止めています。

これは東京だけの話で、東北仙台は関係がないということにはならないと思います。比率的に東京と仙台でどうかという数字は持ち合わせていませんが、この震災の中でも、性的マイノリティの立場にある方々が、例えば避難所の集団生活の中で非常な困難を抱えられたという事例は、これまで私もいくつかの震災を振り返るシンポジウムや個別の支援グループとの話し合いの中で聞いています。現実に東北、特に被災地においてもそうした方々が暮らしておられて、震災の時にはご苦労をされた事態もあったことは事実です。

一方、これからどうかということですが、まずは性的マイノリティの方々の生活上の困難がどういうところにあるかということです。例えば障害を持たれる方の生活上の困難も一般社会にまだまだ十分には把握されていないということで、今仙台市でも障害者の差別を禁止するための条例に向けていろいろ意見をいただいています。性的マイノリティの方はこうした身体、例えば聴覚や視覚の障害以上に社会的な認知が進んでいない分野だろうと思っています。まずは仙台として今すぐに、渋谷区にあるような条例という議論に進む前に、広く差別を解消する一つのテーマとして、この性的マイノリティの方の問題について仙台の中での認知といいますか、議論を深めていくことが必要ではないかと思っています。

(6)性的マイノリティは障害の分野の一つという考えか

障害といいますか、性的マイノリティという状況と、それにご本人がどう対応されていくかの社会的な受け止め方のギャップの問題かと思っていました。

(7)ラグビーワールドカップ開催都市落選についての所感を伺う。6項目の条件を付けたために選外となったと思うがいかがか

ラグビーのワールドカップはオリンピックやサッカーと並ぶ、世界的にも大規模なスポーツ大会です。それが日本で開催されるのは、日本のスポーツ文化や国民のさまざまな関心、そしてまた大変パワフルなスポーツですから国民全体を元気づける、勇気づける意味も大きかったと思います。ですから仙台が今回選ばれなかったことは残念だという思いはあります。

仙台は開催にあたって、ラグビーのワールドカップの趣旨に賛同し立候補したわけですが、最終的にラグビーワールドカップ2019組織委員会と契約をするときには、いくつか示されている条件がありました。その中の大きなものとして、今後増えていくかもしれない開催経費については、上限や開催自治体の負担枠を決めるわけではなくて、契約にサインをしたら青天井でのまなければいけないと解釈できる条文になっていました。また、今後開催まで至るさまざまな手続きや契約条件については、先方が認めない限り、市として外部に情報公開ができないという条件もありました。大きくはこの2点について、私は開催自治体として、どれだけの効果があるかはもちろんですが、どういう条件の下で、どういう交渉や討議があった上で、こういう経過に至っているのかを、その時その時で議会や市民の皆さまにお示しできなくては、ご理解をいただいて、市税を投入して大会を運営することは難しいということで、われわれとして、その他も含めて6項目を申し述べさせていただいたところです。

日本の組織委員会は、われわれの6項目について、その意味するところは十分ご承知の上で、ラグビーワールドカップリミテッドの理事会の協議に仙台も候補地の一つとしてエントリーをさせたわけです。その際もわれわれは、「仙台をエントリーさせてくださるということは、仙台の条件を日本の組織委員会として是としていただけるから、エントリーしていただけるわけですね」と申し上げましたところ、「そうだ」と。最終的にそれらも含めてラグビーワールドカップリミテッドの理事会の判断に任せるという考えで、それによって他の都市と何らかのハンディをつけるものではないというお話があったことは確認させていただいきました。結果としてどのような議論があったかは分かりません。落選したことは残念ですが、契約は最終的に今後4年間と最終開催まで、われわれを縛るものですので、その契約書面を見た中で、地方自治体としての説明責任をしっかり果たしていくために必要な意見を申し述べさせていただいたことについては、妥当な判断だったと思っています。

(8)契約内容は立候補の前から分かっていたのではないか

最終的な原案が来たのは、立候補締め切りの後でした。

(9)仮に仙台市が立候補に消極的だととらえられたとすれば、市長の認識としては筋違いということなのか

私が直接お伺いしたわけではありませんが、例えば組織委員会で提示された原案を丸のみすることが積極的だというご理解であるとすれば、それは最初にそうおっしゃっていただくべきであったと思います。

(10)開催都市に選ばれた釜石市については、何か連携や協力は考えているか

釜石市長から、開催地が決まった後にもお話をいただいています。まだ具体的に何かというご提示はありませんが、ぜひ仙台にも協力してほしいとごあいさついただいています。

私としても同じ被災地ですし、選手や観客の皆さんがいろいろな形で仙台を通過する可能性も多いと思いますので、これから具体的に釜石市や岩手県の方ともご相談の上、仙台として何かできることがあればお手伝いさせていただければと思っています。

(11)人事異動の時期だが、青葉区選管の不適切事務問題に関係した職員の人事はどうなるのか

担当者の中でも人事異動に該当してくる者が出てくると思います。現時点では、当日の事案について聞かれた場合に、答え得る者はその職責上、4月以降どこに位置していようと答えることになると思います。

人事異動は人事異動として、必要な異動の時期や、新たに実施していく事業への対応などを勘案した中で行っていくことになると考えています。4月以降のヒアリングや調査を前提に人事異動を凍結することは、特に考えていません。

(12)異動した職員は、必要に応じて議会等に出席させるということか

必要があれば、そういうことになると思います。

(13)再発防止の検討をしていくうえで、問題に関係した職員が異動してしまうのは問題ではないのか

再発防止策の構築のために必要な職員の知見や当時の証言などについては、どの部署にいようと、できることは十分に協力させていきたいと思います。異動があったから滞るということのないように、議会のご要請や委員会の方からのお尋ねについても真摯に協力する形で進めていきたいと思っています。

(14)市民の代表である市議会が自らの手で調査を行いたいということについて、市長はどう考えるか

今回の事案の中で法令違反の部分がありますので、県警による捜査は、市として優先順位の高いものだと思っています。一方市議会の調査も、市民を代表する皆さま方の今後に向けての必要な調査ということで進められていると考えますので、これにもできる限り協力したいと思います。

ただ、この二つが重なる中で同時点にその二つのご要望にお応えできない、資料提示などは、われわれとしては捜査に協力する部分を優先せざるを得ないと思います。しかし市議会に対してもできる限りのことはもちろんご協力させていただくのがわれわれの務めだと思っています。

(15)捜査に支障が出るという発言は、市に都合よく使われているのではないか。県警にはどの程度支障が出るか確認しているのか

県警とは、概略についてのアウトラインという形で私どもとお話しさせていただいています。市議会として必要だと思う資料が即座に出てくるわけではない今の状況について、いろいろとお考えになられることがあるのは、私も市議会のご発言から承知しています。

しかし捜査については、仙台市が何かを保全するとか身を守るために協力しているわけではありません。最終的には本市の責任に帰すべき事案が解明され、その責任を取らなければならないのはわれわれ自身だというのは十分承知した上で捜査に協力しているということです。時間的な齟齬が出ていることは議会にもご理解を賜われればと思っています。

(16)選挙事務のミスについては第三者委員会で再発防止策が検討されているが、不正について第三者を入れた解明は行わないのか

不正ということは、まさに法を破ったことです。その部分については、今県警で捜査していただいています。一定の動機も捜査の対象になって、いずれ解明される部分が出ると思います。われわれは、今回のことがミスだけで、不正の意図がなかったと判断しているものではありません。逆に言えば、不正の部分があったからこそ法を破ることになったと思っています。そのことは議会も重く考えて、調査特別委員会でもさまざまなご指摘をいただくと思います。またわれわれも県警の捜査の結果を踏まえて処罰すべきものは処罰しますし、不正防止という観点からさらなる対応にも取り組んでいく考えです。

(17)この前の議会で法令順守担当の副市長を置くとの話があったが、その後何か具体的に決まったことはあるか

議会終了後、今日までの間では具体的に決まったものはありません。新年度に立ち上げていきたいと思っています。

(18)新しい富谷町長が富谷町から泉中央までLRT(路面電車)を通すことを公約にしていたが、その後何か仙台市に働きかけはあったか。また現実的に可能だと思うか

富谷町から具体的なお話は特にいただいていません。地下鉄の延伸は事業規模が巨額にのぼり、特に採算性を考えると非常に難しいというのは議会でもお話ししたとおりです。私自身も、LRTについて初期費用がどのようにかかり、どのような採算の構造になっていて、どのように補助金が入り、どこを収支として考えなければいけないのか、事業としての勉強をまだまったくしていません。

私としては、まずは富谷町が発議されたことですので、富谷町の方でいわゆる財務構造の中でどう成立するとお考えになるのかを、まずご提示いただきたいと思います。それを伺った上でないと、われわれ自ら発議したものではないので、いささかお答えに窮するところです。

(19)そうした公約を掲げたことについて市長の所感を伺う

公約について、他の政治家が是非を言うのは適切ではないと思いますが、富谷町にとっても、仙台市との交通アクセスをこれからどういう形で確保していくかが住民の方の多くの関心事であることの反映だと思います。最終的には鉄軌道のような大量輸送機関を意味するのか、それとも道路に依拠するバスなどの交通機関になるのか、それは採算も含め、今後時間をかけたさまざまな議論が必要だと思います。いずれ仙台市という中核的な母都市と、周辺自治体との交通の結節のありようは、富谷町だけではなく、名取市や川崎町などとも共通する課題です。仙台市としても無関心ではいられない一つのテーマだと思っています。

仙台市長 奥山 恵美子

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