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更新日:2023年8月18日

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「仕事がきっかけでひきこもるようになったが、一歩踏み出してみたら、自分らしく動けるように成長を見守ってもらえる場所に出会えた」(30代、男性の場合)

これまでのあゆみ

ひきこもりになったきっかけ

 小学生の頃は、父親の影響で今の趣味にも繋がるプラモデル作りや、外で友達と遊ぶことなどをして過ごしていました。友達は多い方だったと思います。中学時代は、応援団に所属し、クラスメイト以外にも友人がいました。高校生のときは一時的にうまくいかない時期もありましたが、その後大学にも無事に進学できました。

 進学した大学が神奈川県内にあったため、親元を離れ、一人暮らしを始めました。大学では、サークル活動もしていましたし、日払いのアルバイトも時々行い、順調に大学生活を送りました。

 大学卒業後は地元に戻ることなく、東京の会社に就職しました。最初に勤めた会社では、相談できる職員もいたのですが、一度、工場や生産関係の現場で働く技術系の仕事に転職しまして…。その転職先で様々なトラブルが起こり、相談できる職員も見つからず、うまく切り抜けられなくなりました。

 電車で通勤していたのですが、乗車すると会社へ行くことへの不安が大きく気分が悪くなり、会社に連絡して自宅に引き返すということが多くなりました。それから、会社も休みがちになってしまいました。

 仕事を休むようになってから、会社に呼び出され、医療機関を受診して診断を受けるようにと指示がありました。そのことがきっかけで、医療機関を受診し、「不安障害」と診断を受けました。

 仕事の忙しさや住む場所から、大学時代の友人とは気軽に会える距離ではなくなり、就職してから会う機会はなくなっていました。一人で過ごすことが多くなり、誰にも相談できずにいましたが、診断名がついたことで初めて両親に相談することができました。

 両親からの勧めもあり、退職して、実家がある仙台に戻りました。それが、25、26歳のときです。それから、自宅にひきこもるようになりました。

ひきこもり当時について

 「不安障害」で通院を続けてはいましたが、ひきこもり当初は会社に通っていたころの不安が続き、外に出ることは全く出来ずにいました。自宅では、趣味のプラモデル等を作る時間はありましたが、あまり色々な活動はできていませんでした。「このままではいけない」という意識はありましたが、どうすればいいか分からずに過ごしていました。

 その当時は、両親に自分から話をする機会もなく、態度も悪かったと感じています。(少し家から出られるようになってから)人が多い場所に行くと、気分が悪くなったり、イライラしてしまったりすることが増えていました。

一歩踏み出したきっかけ

 そんな時に、父親が今の通所先の情報を見つけてくれて、紹介してくれました。30歳前後の時期です。

 初めは、その場所がどのようなところかよく分からず、少し不安もありましたが、同じ立場の方が通っている場所なので、自分もその一員としてこの場に居ていいんだと分かったときには安心しましたし、やっていけると感じました。

通所先に通って

 職員の方とばかり話をしていましたが、時間が経つにつれ、他の利用者の方と話す機会も増えました。

 通所先で様々な人に接することで、人と話すことを楽しめる時間が増え、人と話しやすくなっていきました。また、様々な考え方があることが分かり、その考え方を自分自身も否定せずに受け止めることができるようになりました。

 それから、両親とも自分から話す機会も増えたように思いますし、今では感謝する気持ちを持てています。作業自体も、元々手先を使う仕事が好きだったので、自分に合っていたのだと思います。その後、4~5年、週4~5日通所先に通い続けられ、就職することができました。

 この通所先は、自分にとって、自分らしく動けるように、時には背中を押してもらいながら、成長を待っていてくれた場所だったと思います。

現在の環境

 通所先を卒業後、何度か転職もありましたが、一番長く在籍した職場では4年程勤めることができました。

 現在は、再び体調を崩したため、仕事を退職して、数か月前に卒業した通所先に戻ってきました。今はあまり通所できずにいますが、週1回程度は通えるように頑張っているところです。

 今でも、不安になることはありますが、イライラすることは少なくなりましたし、人に対して以前のような悪い感情は抱かなくなりました。

今後の目標

 新しいことに挑戦するよりは、今までできていたことを普通に行えるようになりたいです。通所先の方とも、一緒に遊びに出かけたり、そこで企画されている旅行に行ったりすることで、交流が続けられたと思います。

ひきこもり経験者として

ひきこもり当事者に声をかけるとすれば

 直接声をかける機会はあまりないと思うのですが、もしそういった方がいたら、自分なりに何か伝えられることはあるかもしれません。

 やはり、時間は必要だと思います。そして、もし会う機会があれば、自分が今までしてもらったように(特別に扱われるのではなく)普通の日常会話が一緒にできたら良いと思います。

お問い合わせ

健康福祉局障害者支援課

仙台市青葉区国分町3-7-1市役所本庁舎6階

電話番号:022-214-8164

ファクス:022-223-3573