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更新日:2023年6月21日

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「色々な生き方があることを知ってから、世界が広がって、焦らず、自分のペースでいいと思えるようになった」(30代、男性の場合)

これまでのあゆみ

ひきこもりになったきっかけ

 中学校は、野球部に所属しながら、通い、高校も希望した進学校に入学できました。今思い返せば、高校受験の勉強をしていた辺りから、知らないうちにストレスがかかっていたんだと思います。

 高校に進学してから、なんとなく、上下関係が厳しく、体力作りが必要な野球部に所属してしまって。高校も自宅から遠かったので、高校に通うことが辛くなってしまったんです。忙しすぎて、勉強する気持ちにもなれませんでした。

 さらに、そのような時期に、父親から厳しいことを言われることも重なって、心が折れてしまいました。

 最初は仮病から始まった記憶があるんですが、そのあとは学校に行こうと思っても行けず、外出もできなくなりました。

ひきこもり当時について

 気持ちが晴れず過ごしていました。焦りもありましたし。ですが、行ってもしんどいだろうからと、高校へ行きたいとも思えず、かといって行かなくてもしんどい気持ちでした。負のスパイラルに陥っていました。

 勉強は必要だと考えていて、高校卒業後は自宅浪人という形で浪人生活を続けていましたけど、勉強は全然手につきませんでした。

家族との関係

 父親はとても厳しい人でした。学校のテストで100点を取るのは当たり前と言われたので、自分自身もそのように思い、プレッシャーを受け続けていました。一番身近ということもあり、父親のようにきちんとできる人にならなくてはならないという思いもありました。後から知った話ですが、父親自身も職場の悩みを抱えていたようで、大変だったようです。引きこもり当時、自分自身のことしか考えられず、父親のことを気にしていられなかったです。そして、自分自身の置かれている状況から、父親とは顔を合わせられずにいました。

 母親は常にそばにいて助けてくれました。妹との関係も良好でした。

一歩踏み出したきっかけ

 20歳を迎えたときに、自分自身もさすがに何かしないといけないなと思うようになり、そのタイミングで母親から仙台市が運営する相談機関を紹介されました。それが始まりです。

 抵抗はありませんでした。どうしたらいいか分からなかったんです。大学に進学も考えられず、かといって仕事をする体力にも自身がありませんでした。相談できるところを探し求めていました。

 そこでのカウンセリングを何回か受け、何か所か通える場所を紹介してもらいました。その中で、自由に過ごせるフリースペースを選びました。

フリースペースに実際行ってみて

 最初行ってみたときは、同じ境遇ではあるけど、みんな明るいなと思いました。イベント、ゲーム、スポーツなどでメンバーとは交流を深めて行きました。

 スタッフやメンバーと話すにつれて、色々な生き方があることを知れたんです。それから、世界が広がって、焦らず、自分のペースでもいいと思えるようになりました。世間的には変と思う人もいるかもしれませんが。

 また、卒業生から「親のすねをかじれるうちはかじっておいた方がいいよ」と言われて、楽になりました。父親のように、自分自身で頑張らなければならないと思って今までやってきましたが、その言葉で考え方が変わりました。周りは周りで、自分は自分なんだと思い始めて、気持ちも変わりました。

 さらに、父親の影響で失敗できないと思っていましたが、フリースペースに通うようになってから、うまくいかなくても、またフリースペースに戻れると思えるようになりました。

現在の環境

 最近、新しい飲食店でアルバイトを始めました。1ヶ月ほど経ちますが、週に16時間ほど働いています。アルバイトがない日はフリースペースに行きます。

 フリースペースでの生活が4~5年になったころに、日々を過ごしていると物足りなくなってきて、新しいことをやってみるというステップアップを繰り返して、今のアルバイトに繋がっています。また、新しいバイトを探す際に、他の道にも興味が出て、大学に進学するルートや契約社員・正社員について調べたりしていました。

今後の目標

 今は扶養の範囲で働いていますが、来年あたりは扶養外で働きたいと思っています。まだ、親の力は借りることにはなると思うですが、1・2年の間に自立したいと考えています。

ひきこもり当時の自分にかけたい言葉

 「人生なんとかなるよ」と伝えたいです。大学まで進学して就職するのが通らなければならないルートと思っていましたけど、今考えたら、まったくそんなことないし、いろんな生き方があるって思えてから世界が広がりました。早い時期に気づけてよかったです。

お問い合わせ

健康福祉局障害者支援課

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