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更新日:2016年9月20日

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発表内容以外の質疑応答の概要

(1)昨日、津波避難施設の整備に関する検討委員会で「津波避難施設の整備に関する基本的考え方」の最終案が了承されたが、所感を伺う

今回の震災を受けて、津波から安全に逃げることがいかに大事かということを、我々は身にしみて感じたわけですが、ある一定の時間の中で安全を高めていくためには、さまざまな避難施設が必要だということで、昨年の6月から10カ月間議論をしてきました。

今回、道路の拡幅や避難施設の建設など基本的な方針をまとめていただきましたので、これを基にさらに地域の方と一緒に議論を深めながら、具体の施設として作るべきものは早急に着手していきます。まずそのステップを今回10カ月の中で一段上に上がったと考えています。

(2)避難手段については、徒歩による避難を原則としているが、地元住民の理解が得られたとはいいがたいと思うがいかがか

現時点では、堤防もできていませんし、多重防御となる道路のかさ上げ工事もやっと着手した程度ですので、住民の皆さんからすれば、逃げる以外に有効な避難手段が乏しい現状です。特に、夜間のことを考えると、どうしても車に頼りたいというお気持ちが強いのは十分承知しています。

ただ、一方で全員の方が車で避難すると、大渋滞を引き起こしてしまい、結局逃げられる方まで犠牲になるというのも今回の教訓です。

我々が早急に車に代わる代替の避難施設の充実を図ることと同時に、さまざまな避難訓練を行うことも大切です。今回のシミュレーションで、3本の避難道路という話をしましたところ、地元の方々から、それ以外にも小さいけれどもたくさん道路はあって、それらを有効に使えば3本の道路だけに頼るのではない避難も可能だろうという話もいただいていて、そちらも実際に勉強していきましょうという話も出ています。

今後は、そういう地域ごとの具体の条件を確認しながらの現地での話し合いによって、車をどこまで利用することがトータルとしてよい状況を作るかということについて、双方が認識を一致させていく努力を、これは少し時間がかかると思いますが真剣に続けていきたいと思います。

実際、どのくらいの方が、例えば3年後、5年後にお住まいになっていくかという状況にもよりますので、現時点でこれだと決めることのできるものでもないと思います。

(3)沿岸地域では高齢化率が高く、必ずしも自力で歩ける人ばかりでないので、車ごと避難できる施設を作ってほしいという意見もあるが、いかがか

これだけ日本全体で防災に取り組んでいますので、物理的にも機能面でもこれから進化していく余地はあるだろうと思います。ですから、我々が今回検討したことだけが全てだと思っているわけではありません。

今後、より新しい考え方やより進化した施設機能が出てくれば、我々もそれを考えるべきだろうと思います。ただ、現時点で我々が持っているさまざまな素材や知見から、迅速な対応ができるものと考えると、今示しているものが基本になると思いますので、それを基本としながら、もっと良いものが今後出てくれば、その時点で検討すべき素材となっていくだろうと思います。

(4)地元住民の理解を得るのは大変だと思うが、今後の具体的な取り組みを何か考えているか

今回、新しい地域防災計画も決まり、来年度以降は計画を基に、それぞれの地域ごとで合意形成を図っていくことになると思います。それは、山側も海側も同じで、避難所の在り方などを検討していくのですが、とりわけ海側の地域については、今の避難の在り方、避難する先の避難所の運営方法などを中心にやっていくことになります。

これは、昨年6月の総合防災訓練でもやっていましたが、今度はそれぞれの現地主義でやっていきましょうということになっていますので、それぞれの地域で話し合いを重ねながら、6月や9月、11月などそれぞれの地域で、やりやすい時期を選んで、個別に必ず実際の訓練をやっていきますので、その中に避難訓練なども大きな項目として、入ってくることになると考えています。

(5)市長選の日程が決まったが、立候補についてはいつ頃市長自身の考えを表明するのか

私としては、かねて議会でも申し上げていますが、今は復興第一ということで、多くの被災されている方々に復興を実感していただくために、市政を遅滞なく運営したいと考えています。新年度にあたっても、今もお話したような、さまざまな事業が進んでいる段階ですので、現時点でいつ、と具体的に考えている時期はありません。

(6)市長自身の中では、気持ちは固まっているのか

まだ私自身としても対外的にお話する段階がいつかということよりも、新年度にあたって、1日も早く復興を実感していただける年にしたいということで、諸事業がスムーズに発進するようにということを第一に、仕事をしています。

(7)今年度を振り返って、復興の状況について所感を伺う

平成24年2月に復興庁ができて、今年度は、復興交付金について4月から5次交付までさまざまな形で復興庁と折衝しながら、1200億を超える予算を獲得してきました。仙台市とすれば、平成24年度1年間の水面下の一番大きな事業は、復興交付金の獲得といってよかったと思います。

その一方で、それに合わせて制度の運用を検討し、復興公営住宅や被災宅地復旧など、大きなことについて予算を獲得し、工事を発注するところまできたというのが24年度だったと思います。

ただ、非常に大きな金額の大規模な事業をやってきたわけですが、役所側の地盤固め、基礎固めのようなもので、一人一人の被災者の方々から見ると、具体的に自分のところでどうなるのだということについては、なかなか見るべき進展が感じられなかったと思います。

平成25年度は一人一人の方に、今回のような入居意向調査を積み重ねていって、より具体的な形でお尋ねができるように、お答えがいただけるようにしていく、そのことが一番大きな目標だと思っています。

平成24年度は総じていうと、予算を獲得して、制度を立ち上げ、その制度の下に事業を発注して業者を決める、このことに365日を使ったといっても過言ではないと思います。

(8)若林区の井土地区では集団移転を希望する方も多く、さまざまな要望もあり、まとまらない状況だが、どう受け止めているのか

災害危険区域の中に入って、防災集団移転促進事業という大きな制度のもとで集団移転をする場合と、その外にいらっしゃって、しかしながら集団でコミュニティを維持して移転されたい場合に、制度として支援できる形が大きく違うという矛盾する問題が、井土地区にも大きく表れていると思います。

我々としては、集団でまとまって移転し、暮らしたいという地域の方の要望は、できる範囲でかなえたい、支援したいと思っています。それが必ずしも、防災集団移転促進事業と同じような制度的な手厚さにはならないということが、住民の方々にとってのご苦労になっているところです。

今までの話の中で、集団で入居できる復興公営住宅をなるべく希望の地域に、数多く厚みをもって建設していきましょうということや、集団で移転する場合にいろいろな難しさがありますので、そこにコンサルタントを派遣して、実際的な助言をもらって、事業をつくれるようにしましょうなど、我々としてできることは、この間もやってきています。

まだ現地の方々にさまざまな不満もあり、課題もあることは私もお目にかかっていますので、十分承知していますので、今後もご要望がかなう方向でできることを相談していくことだと思います。

(9)井土地区の意見交換会では、今回追加された交付金の使途について期待する話もあったが、災害危険区域以外の浸水地域への支援のあり方について、どのように考えているか

国の交付金が措置されたことによって、沿岸被災の各市町においてさまざまな独自支援制度について、発表されてきています。従前の独自支援の格差といわれる問題の是正ということが、県の方針として知事からも要請されていることも踏まえ、この会見の場でも何回かお話させていただきましたが、私としては、被災自治体で出されている諸制度をしっかりと研究させていただいて、その中で仙台市としてどうしてもここの部分はさらに必要だろうというものがあるかないかについて、担当も含め、しっかり勉強したいと思います。

段階としては、そういう段階です。

(10)具体的にいつまでに何かを決めるという目途はあるのか

現状では、まだありません。

仙台市長 奥山 恵美子

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