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更新日:2023年8月22日

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補助金活用事例集volume29:株式会社カリブコーヒー(前半)

 

事業者紹介

会長と代表の写真1.

事業者

株式会社カリブコーヒー(店舗名:värm(バーム))(外部サイトへリンク)

所在地:宮城県仙台市青葉区木町17-15

採択

令和3年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金

1次公募 経営革新事業 2..経営者交代型

既存事業 コーヒー豆の販売事業
新規事業

既存事業であるコーヒー豆の販売事業に加え、

  • ベーカリー事業
  • 薪焼きレストラン事業
補助金活用内容
  • 旧店舗の原状回復工事業
  • 新店舗の設備費
支援事業者

仙台商工会議所

所在地:仙台市青葉区本町2丁目16-12

 

活用事例集:老舗自家焙煎店が事業承継を機に新装!レストランを核に新しい顧客層の開拓へ!

 今回ご紹介するのは、事業承継引継補助金を活用してコーヒー&ベーカリーと薪焼きレストランの複合業態のお店「värm (バーム)」を開業した株式会社カリブコーヒーさんの事例です。国内外のトップレベルのレストランで修行を積んだ料理人の阿久津光さん(現代表)は、父の阿久津眞孝さん(前代表・現会長)が創業したコーヒー自家焙煎専門店「カリブコーヒー」を事業承継し、親子2世代それぞれのキャリアを活かした新業態での展開に挑戦しました。
 今回のインタビューでは、「カリブコーヒー」創業者の眞孝さんと事業承継して「värm バーム」をオープンした光さんからお話を伺いました。

事例集volume29(PDF:2,304KB)

 

インタビュー記事

会長と代表の写真2.
創業者の眞孝さん(写真左)と事業承継して「värm バーム」をオープンした光さん(写真右)

 

─ 御社のこれまでの事業を教えてください。

眞孝さん:1996年にコーヒー豆の自家焙煎専門店「カリブコーヒー」を青葉区通町に開業しました。40種類以上の良質の豆を、それぞれの特徴を引き出して焙煎し、お求めやすい価格で量り売り販売してきました。

販売している豆

店を始めたきっかけは、当時の「脱サラブーム」の影響です。食品関係の営業職をしており、このまま会社員として働き続けることに疑問も感じていたこともあり、思い切って開業することにしました。コーヒーの詳しい知見があったわけでもなく、何とかなるだろうと見切り発車で飛び込みましたので、経営は手探りでした。

 

─ 自家焙煎専門店にした理由はなぜですか

眞孝さん:いろいろありますが、競合が少なかったからでしょうか。当時も今も、コーヒー豆も販売しているカフェはありますが、豆の小売販売専門店は、市内に数えるくらいしかないと思います。カフェだと気軽に立ち寄りやすいと思いますが、飲食業を始めるとなるとさまざまな準備も必要となりますし、開業するにあたり契約した物件は10坪と小さな店でしたので、販売に特化することにしました。結果的に、様々な種類の高品質の豆をリーズナブルな価格で提供できましたので、コーヒー好きの方に、長年通っていただけたのではないでしょうか。

 

─ 開業後30年近くになりますが、経営環境の変化など感じられたことはありますか

眞孝さん:大学病院が近いという立地環境もあり、お客様には医学部の学生さんなどもいらっしゃいました。若い頃からの常連さんが、今や会社や病院などで責任ある立場になられて、まとまった量を発注いただくこともあります。また、昔はお店で挽きたての豆を買われるお客様が多かったのですが、最近では、コロナ禍での巣ごもり需要の影響から、コーヒーミルの売れ行きが良く、豆のままで購入される方が増えています。

焙煎中の豆

 

─ 今回の事業承継をされる前までは、ご自身ではいつ頃までお店を続けられたいとお考えでしたか。

眞孝さん:これまで自分と妻とで営業してきましたが、60歳半ばも過ぎて、今のままで続けられるのは、あと数年くらいと思っていました。開業時からの常連さんの中には、年々購入頻度や量が減ってきている方もいらっしゃいますが、それでも若い頃からずっと通ってくださるお客様のことを考えると、誰かに引き継いでもらいたいと思っていました。

 

─ そうした中で、光さんが事業承継をすることになった経緯を教えてください。

光さん:実は父の店を引き継ぐことは、当初から考えていたことではありませんでした。私のキャリアのスタートは市内のホテルで、サービススタッフとして飲食の仕事に携わる中で、いずれ自分で飲食店を開きたいと思っていました。

 

─ もともとは飲食店を開業予定だったのですね。

光さん:仙台のホテルで働いていた時に、ワインの魅力に取りつかれたのが大きなきっかけでした。その後、開業を見据えて調理技術や飲食店経営のノウハウを学ぶ必要があると考えて、首都圏やフランスで修業してきましたが、いずれ店を構える場所としては、仙台を想定していました。ちょうど数年前に、フランスから帰国したタイミングで父と話す機会があり、私の妻がパン職人でしたので、コーヒー専門店ではなく、パンとコーヒーを一緒に提供できる業態であれば、事業を引き継げるのではないかということになりました。そこで2017年に父が法人化したのが事業承継に向けたスタートだったと思います。

代表の写真

 

─ 今のようなレストランも含めた店舗を構想していたのでしょうか。

光さん:当初は「自家焙煎コーヒーが楽しめるカフェ」をイメージしていました。ですが、いざ本格的に事業承継するにあたって、これまで働いてきたお店で得てきた経験や、自分がやりたかったことなどを改めて考えると、自分の思い描くイメージは、会長が引き継いでもらいたいと考えていたものとは大きく異なり、意見が対立しました。会長は、従来からのお客様に対して、リーズナブルな価格で気軽にコーヒーを楽しんでもらいたいと考えていましたが、逆に私は、わざわざ足を運んでいただける特別な魅力が新店舗には必要だと考えていたからです。

 

─ どのようにして異なる意見の折り合いがついたのでしょうか。

光さん:最後まで意見の折り合いはつきませんでしたが(笑)、最終的に会長が私の意見を尊重してくれて、コーヒー、ベーカリー、レストランのそれぞれの業態の複合型店舗となりました。気軽にコーヒーやパンを楽しんでいただける日常使いだけでなく、本格的なコース料理やワインを楽しんでいただくこともできます。この業態としたことで、これまでの自分の経験や技術を活かせる店を持ちたいという夢と、家族で店を営みたいという夢の両方を叶えることができました。

 

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