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更新日:2023年9月1日
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7月13日(木曜)は、仙台市地下鉄東西線国際センター駅2階青葉の風テラスにて、毎日元気に散歩をしながら清掃活動や花壇の手入れをしている「サンボランティア」の皆様と懇談しました。
懇談前には、皆さんが手入れをしている国際センター駅北側の花壇「青葉の風ガーデン」を見学しながらお話を伺いました。
色とりどりの夏花で彩られた「青葉の風ガーデン」
早朝、仙台城跡を中心に散歩している中で、毎朝顔を合わせているうちに仲良くなった「散歩仲間」。5年ほど前から、散歩道に落ちているごみを拾い始め、雑草だらけの荒れ地の草取りをするなどの清掃活動を行い、2年ほど前から地下鉄東西線国際センター駅北側花壇に花を植えるようになり、徐々に活動を広げてきました。現在、60代から90代までの16人で活動中。散歩をしながらボランティアをするから「サンボランティア」。花壇を「青葉の風ガーデン」と命名し、駅を利用している方々の憩いや交流の場となっています。
代表 松田 照夫(まつだ・てるお)氏
副代表 江戸 たか子(えど・たかこ)氏
幹事 田中 隆(たなか・たかし)氏
メンバー 清水 秀甲(しみず・ひでき)氏
メンバー 山田 和子(やまだ・かずこ)氏
サンボランティアの皆さんと(写真)
市長
杜の都仙台というのは、中心部の街路樹の美しさもさることながら、市民の皆さま方の手が入っていろいろな緑を育んできたことが、まさに杜の都の象徴であると言われています。今日は、それを実践されている皆さんたちとの懇談ということで楽しみにして参りました。先日、閉幕した第34回全国都市緑化フェアのメイン会場が仙台国際センター駅の南側でしたが、駅を降り立った方や駐車場に車をとめた方を、あれだけきれいな花壇でお出迎えすることができましたことに深く感謝申し上げます。おもてなしの心を存分に発揮していただいたのではないでしょうか。
今日は、限られた時間ではありますが、ぜひ皆さんのこれまでの活動や思いなどをお聞かせいただきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
では、おひとりずつ自己紹介をお願いします。
松田さん
代表をしております松田照夫と申します。特に会則など設けずに活動していたのですが、団体として活動することになり、代表を務めさせていただくことになりました。
私自身はこれまでガーデニングに手を出したこともなかったのですが、知識も経験も豊富な皆さんに助けられています。メンバーの中には、大町や八木山、西公園で花壇づくりに関わっている方もいて、他団体の情報をいただけるのがありがたいです。
江戸さん
江戸たか子と申します。大町フラワー会でも花壇づくりをしています。そちらでは昨年度の「仙台市緑と花いっぱい花壇コンクール」で新人賞をいただきました。
松田さん(写真) 江戸さん(写真)
田中さん
田中隆と申します。73歳で仕事をやめ、健康のために散歩を始めました。最初は河川敷を歩いていましたが、夏場は熱いので、木陰を求め、移動してきて皆さんと知り合いました。
清水さん
清水秀甲と申します。生まれは長野県で父の仕事の関係で仙台に来ました。歩くことや山登りが好きです。八木山から青葉山までちょうどいい散歩コースで、疲れたら地下鉄で帰れるというのも便利です。5時半くらいに家を出て、8時前後に家に帰るというのが日課になっており、帰りには、八木山動物公園の前の花壇に、水まきなどをして帰っています。
山田さん
山田和子と申します。元々は散歩仲間ではなかったのですが、仲の瀬橋付近にある自宅の庭の手入れをしているところに、帰り足のサンボランティアの皆さんがいらして、花の話をしたことがきっかけです。メンバーの中では、国際センター駅に一番近いので、うちの庭の花を株分けしたり、土を運んだりしながら、約1年かけて整備しました。
田中さん(写真) 清水さん(写真) 山田さん(写真)
市長
皆さん、散歩が好きだけじゃなく、花も好きという共通項があるんですね。
この活動を始められたきっかけは何だったのでしょうか。
田中さん
せっかくきれいに咲いている花が雑草で見えなくなっていてかわいそうだなと思って始めたのがきっかけです。はじめは、松田さんご夫婦と3人でやっていましたが、江戸さんや清水さんも加わり、徐々に仲間が増えていきました。
市長
正式にボランティア団体を立ち上げられたのは、昨年とお伺いしました。その理由と名前の由来を教えてください。サンライズからきているのでしょうか。
松田さん
活動は5・6年前から始めていたのですが、昨年、仙台市の公園緑地協会に花苗の助成を申請するために正式に設立することにしました。名前は、散歩をしながらボランティアをすることから、「サンボランティア」に決めました。
他に山田さんや清水さんもお庭が広いので、自宅から株分けして持ってきてくれたり、県外から持ってきてくださる方もいます。
市長
この国際センター駅の北側にはお住まいになっている方もいませんし、町内会などの自治組織もないところです。公共で整備しない限り誰もできないところかなと思いますが、皆さんのお力でここまで美しい花壇にしていただいていることに、大変ありがたく思っております。
日頃、何か工夫されていることなどありましたらお聞かせください。
江戸さん
最初は、雑草を取ったり、遠いところから水を運んだり、耕すまでに本当に大変でした。いろんな方が立ち寄って手伝ってくれて助かりました。
松田さん
町内会や市民センターなどの組織的なものによらずにやれたということに市民力、まさに仙台市民の力を感じました。
市長
地下鉄東西線が開業してしばらく経ちますが、皆さんが整備される前は、どのような状況だったのでしょうか。
江戸さん
イタドリ、ヨモギなどの雑草が生い茂っていました。
松田さん
ススキも出ていました。ススキは多年草で根を張り巡らせるので、それを全部取りました。
田中さん
下が芝草で横に根を張るので、それをとっていくのも大変でした。毎日少しずつ取りながら、少しずつ花を植えていきました。
市長
花壇づくりには、草花に関する知識も必要でしょうし、レンガを使って色とりどりの花を植えられたリ、デザインなども工夫されたのでしょうか。
松田さん
草花に詳しい人など多才なメンバーがいてくれたおかげだと思います。自分たちで手入れをしていくと、だんだん愛情がわいてきます。
市長
皆さん、いいお顔をなさってお話をされていますが、この活動をなさっていて、どんなと
ころにやりがいを感じてらっしゃるのでしょうか。
江戸さん
花壇づくりが生き甲斐となっています。花壇で写真を撮っている方を見ると、きれいにして良かったと感じます。
田中さん
夕方、水まきに行くと、立ち止まって見てくれたり、「きれいな花壇ですね」と話しかけられるとやっぱりうれしいです。これからも皆さんから喜ばれるような花壇づくりを続けていきたいと思っています。
清水さん
歩くことは健康にいいし、せっかく歩くならと思って、ごみ拾いをしたり、冬は融雪剤をまいたりしながら歩いています。八木山ベニーランドから八木山橋のところは、道路が凍結して滑るので大変危険なんです。気づいたことから、市民一人ひとりが実行していけば、もっと歩きやすいきれいなまちになると思っています。
市長
清水さんは、花壇のみならず、散歩しながら、道路の凍結防止にも取り組んでいらっしゃるのですね。
清水さん
他のメンバーが仙台城跡の石垣のところに融雪剤をまいていたのを見て、これはいいことだなと思って、やり始めました。
田中さん
八幡あたりから西公園を通ってごみを拾いながら散歩しています。側溝の排水口を掃除したり、冬は雪かきをしたり。やはり、ただ歩くのはもったいないし、人に喜んでもらえることが自分もうれしいし、やりがいを感じます。
山田さん
自分たちで育てた花にはやはり愛情がわきます。ちょっとでも弱っていると気になって、植え替えをしたり肥料をやったりしています。夕方も散歩をしながら、水をまいたり、雑草をとったりするのが日課になっています。花が好きで好きで、見るだけで幸せな気持ちになります。
市長
散歩しながら、いろんなことに気が付かれて、また、仲間の活動も刺激になり、それを実行されている、まさにマルチボランティアとも言えますね。
懇談の様子(写真) 懇談の様子(写真)
松田さん
仙台で育ち、この年齢になり少しでも恩返ししたいという思いから、小さな善意をこれからのライフスタイルにしようと夫婦で始めました。それが、人生経験を経て仙台をこよなく愛する人たちが集まり、ちょっとした小さなコミュニティになっていったんです。このコミュニティの力を仙台のために活かしていきたいです。
市長
散歩が好きから始まって、仲間となり、愛着のある仙台を良くしたいという皆さんの熱い想いを感じました。
今後の展望をお聞かせください。
清水さん
長く続くけること。コロナ禍でも毎日来てお話をしながら活動を続けてこれたということが良かったと思います。これからも長く続けていきたいです。
田中さん
毎日会っているからこそ、健康で、共に頑張っていこうという気持ちになります。
清水さん
もっと市民の方に青葉山の良さを知ってほしいです。こんなにいい緑があって、仙台の宝だということを感じてほしいと思っています。
松田さん
この青葉山エリアもウオーキングコースとしてしっかり整備されていけば、皆さんの健康づくりに役に立つスペースになるのではないかと思っています。そのためには、私たち市民と行政が一緒になってつくり上げていく必要があるのではないでしょうか。縦割りの市役所では、各課の業務に隙間がある。そこに市民の手を入れたい。魅力的なまちづくりのために少しでも役にたっていけたらという思いです。
市長
市民協働というのは、仙台の宝ですけれども、率先して、また熱い思いを持って取り組んでくださっている皆さんは、まさに「五つ星シニア」、目指すべき先輩方の姿だなと私自身も思ったところです。
若い人たちに向けて何かお話しがあればお聞かせください。
江戸さん
若い方にも愛着を持って、緑豊かな美しい仙台にしていってほしいと思います。
山田さん
この駅は、学生さんの利用も多いので、私たちが一生懸命作業している姿を見て興味を持ってもらえたらと思っています。口で言うのではなくて、見て感じてもらえれば、それが未来につながるのではないかと期待しています。
松田さん
仕掛けが必要ではないかと思っています。「せんだいセントラルパーク構想」というのがありますが、まさにこの青葉山エリアは仙台のセントラルパークだと思っています。そこに若い人が集まるような仕掛けや工夫、いろんな企画があれば若い人たちもどんどん参加してくれるのではないでしょうか。そういう仕掛けを市民の力でつくり上げていけば素晴らしい素敵な日本一の都市になるのではないかと感じています。
市長
今日は多岐にわたってお話を聞かせていただきました。花壇づくりだけではなく、皆様がどのような思いで活動をなさっているか、また、市民協働でまちづくりに貢献したいという熱い思いも聞かせていただきました。
始めは散歩から始まり、それがコミュニティとなって、絆が深まっていったということに、とても憧れを持って活動を拝見させていただきました。
仲間が欲しい、何かやってみたいと思っている方々はたくさんいると思います。身近なところから始められるこの活動が市民協働のモデルケースとなり、仙台のあちこちで生まれていくこと、また、若い世代にもこのような取り組みが受け継がれていくことを心から期待します。
本日は、ありがとうございました。
懇談者5名と(写真) 花壇で育てたお花を花束にしていただきました
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