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更新日:2024年2月29日

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老舗美容室がシャンプーのプライベートブランド「ラ・ボーテ ドゥ・ブラン」立ち上げ【仙台市中小企業チャレンジ補助金取組事例】

有限会社サロンド・シローの取組事例

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「シローの店」は先代の髙内志朗さんが昭和49年に創業した美容室で、令和6年には創業50周年を迎える老舗だ。青葉区宮町に本店を構え、令和6年1月現在は市内に4店舗を展開している。顧客層は主に30代以上の女性で、長年足繁く通うリピーターが多い。現代表・オーナーの髙内勝志さんは、令和3年に事業を承継し、学生時代の留学や前職のコンサルティング業界での経験を活かし、スタッフが顧客サービスに注力できるよう、業務改善に取り組んでいる。リピーターが途切れない秘訣は丁寧な接客と技術力。スタッフのスキル向上のため、髪の構成要素、髪が染まる仕組みや、顧客のオーダーに寄り添うためのお客様それぞれに対してのデッサンの書き方などの座学研修、さらに視野を広げるために海外現地美容室への入店研修も行っている。

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(「シローの店」川平店)

今回、勝志さんは、店舗販売商品の販路拡大のため新規事業として、自社ブランドのシャンプー・トリートメント「ラ・ボーテ ドゥ・ブラン」を開発。新商品開発〜販路拡大(ECサイト構築)にあたり、令和5年度仙台市中小企業チャレンジ補助金を活用した。令和5年12月に店頭販売を開始し、店舗での施術にも活用している。今回の新商品リリースをきっかけにマスメディアなどに大きく取り上げられ、美容業界を超え注目を浴びている。

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(「ラ・ボーテ ドゥ・ブラン」シャンプー)

令和6年1月時点で、当初に製造したロットの商品在庫も残りわずかとなり、想定よりかなり早いペースで販売が進んでいる。また、副次的な効果として、店舗への新規の来店者数も増えている。BRANCH仙台長命ヶ丘店では、有名美容ポータルサイトを使っていないながらも以前より新規来店が月ベースで40%増となり、店舗営業にもプラスの影響が現れているようだ。

自社ブランドのシャンプー・トリートメント開発に至ったきっかけは「すぐ買える」商品の必要性を感じたこと。近年では、インターネット上でサロン専売のシャンプー・トリートメントの中古品を購入する人も多い。その要因は身近な場所ですぐに買えない不便さや、定価より安く購入できることが考えられる。「この現状に『中古の開封済みのシャンプーに異物が混入していたら危ないな』と問題意識を感じていました。加えて、髪質の改善に効果的なサロン専売のシャンプー・トリートメントをおすすめしたい想いもあり、美容室に来てくださるお客様への自社製品を構想したんです」とオーナーの勝志さん。

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(オーナー・髙内勝志さん)

元々自社ブランドの製品はあったものの、コスト面の問題からシャンプー・トリートメントの開発には踏み切れていなかったが、補助金をきっかけに、自社オリジナル商品の開発とECサイトの構築に挑んだ。

今回開発した新商品「ラ・ボーテ ドゥ・ブラン」のシャンプーはノンシリコンシャンプーでベンチマークとする大手サロンの同等品と比較すると、洗浄力は少し強めの仕上がり。手荒れ防止成分を加えるなど配合を工夫している。また、トリートメントは髪に良い成分がより髪に浸透するように調整。「つるッ」とした手触りを狙っている。シャンプー・トリートメントそれぞれの香りは30種類ほどの香りのサンプルをメーカーから取り寄せ、スタッフと共に検討して決めた「グリーンティーのフレーバー」。勝志さんが仙台ハーフマラソンで定禅寺通を走り抜けた時に感じた爽やかな新緑から着想を得たという。スタッフからの提案もあり、今後はバリエーションのひとつとして、無香料の商品も検討している。

開発の最終段階までスタッフやお客様に実際に試してもらいながら、泡立ち加減や香りの調整など複数回に渡る丁寧な検討が功を奏し、お客様からの評判は上々。今後はテクスチャーの改善などさらなる品質向上に取り組む予定だという。

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(「ラ・ボーテ ドゥ・ブラン」は、店舗での施術にも使用している)

令和6年2月以降は、ECサイトもオープンし、インターネットでも購入できるようになる。勝志さんは「今後は全国的なテストマーケティングを行って、当社のサロンを知らない方にどこまで評価していただけるか試していきたいです」と話す。

「シローの店」では、新事業による財務基盤の強化を通じて、店舗を支えるスタッフの待遇や更なるスキルの向上も視野に入れている。DXを活用した新規事業などにも取り組みながら、今後も長く愛される美容室を目指し、若き2代目の挑戦は続く。

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(令和6年1月取材)

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