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更新日:2016年9月20日

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発表項目以外の質疑応答の概要

(1)日曜日に行われた楽天イーグルスの優勝パレードについて所感を伺う

沿道に立錐の余地もないくらいの方、お伺いすると仙台市民だけでなく、東北一円、また関東からおいでいただいた方もいらっしゃるようで、そういう大勢の方に、ともに楽天の優勝を喜んでいただいたことは、大変うれしいことでした。

朝方ちょっと雨がぱらついて心配しましたが、素晴らしい青空も広がって、優勝を祝う舞台が百点満点にそろった感じでした。まるで、わが子が凱旋したような晴れがましさを感じた、そんな気持ちでした。ご協力ありがとうございました。

(2)パレードの協賛金は目標に近づいたようだが、現在の状況はどうなっているか

パレード実行委員会の鎌田会長から不足しているとのお話があって、その後報道を見た市民の方からの反響も良く、また当日も各所でお願いのPRをしたところ、個人協賛金は今目標としている9000万円に約1000万円足りないくらいまで来ており、8000万円ほどが現実に集まってきています。29日まで募集は続ける予定ですので、その間にもう少し積み増しされてくるのではないかと思っています。

ほぼ、とんとんになるのではないかという感じで、商工会議所とも連携を取りながら進めているところです。

(3)パレードの経費のうち半分以上が警備費用だが、警備が過剰だったのではないか

全体の予算の中で、人件費がかなりの割合を占めているのはご指摘のとおりです。東二番丁通のあれだけのスペースを確保したわけです。

日本一を決めたときの最後の2試合で、チケットがないけれども、あれだけの方が球場周辺に集まりました。そしてまた最終日の第7戦はさらに隣の陸上競技場を開放しても、雨の中を皆さんどんどんおいでになりました。

私たちの脳裏にも、そのことが残っていましたので、これは相当に東北一円気持ちが高まっているだろうと、となるとせっかくここまで勝って喜びをともにしてきたものが、ささいなことであれ、トラブルがあったり事故があったりして喜びが台無しになってはとんでもないことだというのは、私たち実行委員会の、商工会議所、県、警察が一体となった気持ちです。もう少し人数面で抑えることができたのではないかというのは、結果論としてまたこの次のさまざまなイベントへの教訓としては思うところはありますが、事故なくパレードを終えたいことからすれば、あれだけの人が来た結果を考えれば、やむを得なかったのではないかと今は思っています。

(4)最近の首長選挙について、宮城県では現職が勝っているが、福島県内では現職がことごとく敗れている。その原因をどう考えるか

福島における現職首長の選挙敗退の原因は、それぞれ地域ごとにあるとは思いますが、総じてそういう傾向が続くということは、震災からの復興が進んでいないことに対する住民の方々の強い焦りや迅速さへの期待、さまざまな閉塞感といったものが複合的にあるのだと思います。

宮城と福島の違いを考えると、原発事故の問題が一番大きいことは疑いのないところだと思っています。除染に代表されるような、さまざまな事故対策が住民の方々から見て、まだ十分に、先の見通しを明るいものにするものになっていない、この道を行けばいいという信頼するに足るものになっていないことの一つの不満の表れだと思います。

(5)宮城県の首長選では現職が勝っているがこれはなぜか

宮城県の場合はそれぞれ地域の差はもちろんありますが、基本として復興の柱である集団移転、また復興公営住宅の建設、中心市街地の再興、これらが被災地の大きな3本柱だと思います。時期の進み方のスピードはあっても、被災地の県民の皆さんの中で、この方向性の中で行くことについては了としているものがある中での、あとは時期をどうするか、場所をどうするか、数をどうするかなどの選択の話になります。現職の支持も、この方向性が共有されているもとに出ているのだろうと思います。

福島の場合は、なかなか住民の方と現職の間の方向性の共有ができていない、これは震災復興のごく基本的な同じレールの上に乗ることができていない、まだ脱線状況にあるという感じだと思います。ただ、それが個々の自治体の運営、経営の責任とすべきものなのか、それとも広い意味での原発事故対応に関する国の指導性、関与の問題なのかとなると、私は個々の自治体の差というよりは、国が進めている、もしくは進めてきたやり方の中に、住民から見てまだ不十分な点が感情的なものも含めてある、そのことに対する指摘の気持ちだろうと受け止めています。

(6)震災遺構の有識者会議では、荒浜小学校についてどのようにアピールしていくのか

仙台市単独のことに関して言えば、荒浜小学校の他に、幾つか考えているものはあります。中心としては荒浜小学校でありますが、そこで多くの人の命が助かることができたということ、また、地域の方々が、その前年までは1階に積んでいた備蓄品を、その年の防災訓練の後で、これでは下すぎるので上に上げようということで、4階まで上げた結果、寒さの中でも品物がぬれずに全部使うことができたなど、いろいろな地域活動の教訓なども含めて、これからの方々に、いろいろ震災について学んでいただく素材を凝縮した場所だと思っています。

そのことは申し上げたいと思いますが、この会議の私の立場は、仙台市長であると同時に宮城県市長会の会長であります。他の被災市の意見等も多様でありますから、まずはしっかりとそれぞれの市の違いもお話をしなければいけない、その上で、知事がおっしゃるような共通の理解に立ち得るものをどこに持っていくかについて、議論を深めていく、この二つが出てくるかと思っています。

(7)震災遺構の保存について、知事は県の方針に従ってほしいという趣旨の発言をしているが、すでに方針を町で決定している南三陸町の防災庁舎についても、県の方針に従うべきと考えるか

これまでのいろいろな経過を考えると、南三陸町の場合は非常に難しい状況もあると思っています。広域的にそれぞれの震災遺構の重要性について有識者会議としての判断を示していくことは、被災自治体というエリアを少し離れた形で、広く視野を設定して議論を深めるということですから、これはこれで意味のあることだと思います。

ただ、南三陸町長もこの前の会議でおっしゃっていましたが、廃止の決定は、有識者会議の話が出る前に議論が始まり、その中で町議会を含めていろいろな意見があった中で出た結論です。いわば後出しじゃんけんのような形で、検討会議ができたから、それまでのことをいったん棚上げをしてというのは、確かにそういう意味合いでいい部分もありますが、これまでのプロセス部分をどう考えるかということになると、町長や住民の皆さんのお考えを相当程度に尊重するという気構えがなければ、さすがにこちらでこういう考えが出たから、そちらは白紙ということにはならないだろうと私は思っています。

(8)震災遺構で一番問題になるのは維持管理費と思うが、各自治体が負担すべきか、他の方法を検討するべきと考えるか

残される遺構によって、かかる維持管理費も一律ではないと思います。例えば、その遺構がどの程度壊れているか、その壊れ具合のひどさが激甚な状況を表すから残すとなると、壊れ方がひどければ維持管理費が余計にかかってくるのではないかと、素人的に思ったりするわけです。

また、雨ざらしにしておく中での維持管理なのか、それとも中尊寺の鞘堂(さやどう)ではないですが、鞘的なものを作って、そうした形で維持管理するのかによってもメンテナンス費用はずいぶん違うと思いますので、一律には言えないと思います。

今の時点では、過大な負担であるから、国なり県なりでもってほしいという基礎自治体の思いは、思いとしては私もよく分かりますが、それをしっかり納得していただくための基礎的な議論、つまりどのくらいが本当に維持管理費としてかかっていくのかについての幅の精査がまだありませんので、少しそういうことをやってみた上でないと、議論はできないかと思います。国も、維持管理がどれぐらいかかるか示されないと、次のステップの話については現状以上の答えは出てこないと思っています。

(9)震災遺構について、財政が厳しい市も多いが、今後どういう調整をしていくのか。維持管理費について今後宮城県市長会として要望していく予定はあるか

まず前提の取りまとめで言えば、有識者会議の開催が決定したら、第1回会議における議題が事務局から提示されると思いますので、それについて必要に応じて被災自治体の首長の意向を確認した上で、会議に臨みたいと思っています。

市長会としての要望については、私が調整するというよりは、まずは提示された議題に対して、被災市の状況を具体に述べるということがスタートラインだと思いますので、そこを進めていきたいと思います。議論が深まる中で、市としてもう少し意見の統一が図られた方が、よりこの議題が深まっていくということや、維持管理費についても、もう少し全体として見積もっていきたいという話になれば、状況を報告しつつ、各自治体から数字をいただいたり、仙台市としても検討を行いながら、話し合いをしていくことになると思います。

(10)震災遺構の有識者会議では、いつごろまでにどのような結論が出せると思うか

基本的にはいつごろまでに、という時間感覚は、まだ知事からも出ていませんし、どういう議題設定をされるかにもよりますので、私にもまだ分からないです。

ただ、1回目の開催が、議会の関係などを考えると12月の中旬以降の開催だと思いますので、そうするとなかなか年度内は厳しい気がします。

(11)震災遺構の老朽化などを考えると、どの程度のスピード感でやっていくべきと考えるか

いろいろなやり方があると思いますが、全体を一度網ですくうような形で、対象となるものを広くとった上で、その中から重要なもの、集中的に議論を深める対象を幾つか選んでいくやり方もあるし、ピンポイントで事業着工日時であるとか、他の事業や何かの関係で、早期に課題を解決しないといけないものという形で絞り込んでいくというのもあると思います。どちらの手法を取るかについては、まだ相談を受けていませんので私も何とも言えないところです。

ただ、事業スケジュールに迫られているもの、土地のかさ上げとか土地区画整理にかかっているものとか、そういうものは事業を進めることがまず大前提ですので、ある程度遺構としての重要性を加味した上で、早期に幾つか進めていかなければならないものはあると思います。

(12)そういった事業については早く進めないといけないということか

そうだと思います。そうでないと逆に遺構の保存も大事なことですが、そもそも住民の方が望んでいる区画整理や土地のかさ上げが遅れるようでは本末転倒という意見が当然出てくると思います。

(13)震災遺構には気仙沼の共徳丸などすでになくなってしまったものも多いが、有識者会議がもっと早く実施されていれば状況は違ったかもしれず、この時期となったことについて市長の所感を伺う

もう少し早ければという思いは私にもあります。

われわれも今までさまざまな形で震災遺構について交付金を使えないかという話をしてきましたが、国は一貫して交付金事業の対象にはならない、それは自治体の財政負担によるものだという考え方があり、それが有識者会議の発足が遅れた一番の理由だと思います。

ですから逆にいうと、これまでもさまざまな災害があったわけです。島原であり中越であり阪神淡路であり、ということを考えると、今後日本の災害の中で震災遺構はこれからも出てくるし、こういうことがあり得ると思います。

今回のようにずるずると国の意思決定が事実的に遅れたために、全体の議論も遅れて結局時間切れになるということではなく、防災教育や災害の教訓を後世に残すということに対して、国がどの程度関与すべきかということを、もう少し国のレベルで、当初からそういうことを念頭において議論が深められているような、震災遺構に関する検討委員会みたいなものが、国として立ち上がっていても良かったのではないかと思います。

(14)震災遺構について、県の果たすべき役割はどう考えるか

県の役割としては、基礎自治体を越えて、ある種の調整機能を持つ、もしくは基礎自治体では持ち得ない視点からの議論を深めることが県の中で可能だろうと思いますので、そういう意味では役割があると思います。

ただ、これだけ被災自治体が数多く、またそこにある震災遺構も多かった、例えば解体された共徳丸も含め非常に数が多い中で、県としても国の関与がまったくゼロの時点では、それでは県費でやるのですかという財源問題に戻ってくることになりますので、そこが県としても調整に入りにくかった点だと思います。

善意だけで調整する、でもお金は皆さまで、というのでは、あまり実質的な調整とはならない善意の助言にとどまるかもしれないわけですので、その辺に対する踏み切れなさがあったとは思います。

(15)タイ国際航空による仙台―バンコク定期便が12月4日から就航開始するが、現在の心境を伺う。また、観光客数など目標はあるか

まずはあと一週間ということですが、この間タイ航空でもいろいろPRに力を入れていただいていて、例えば仙台市内の広告付きバス停にも、タイ航空の素敵なポスターなどが掲載されています。タイという国に対する興味や関心、好奇心が市民の方の中にも高まってきているのではないかと思います。

実際に定期便が就航することによって、タイという国がもっと身近になって、場合によっては関西や九州に行くよりも気軽にタイに行こうという気持ちになるかもしれませんので、そうした新しい需要が喚起されることを期待しています。

目標としては、今回1飛行機300席という比較的大きい機体だと思いますので、まずは通年運航に向けて乗客率が高まることが必要です。7割とか7割5分とかそういう数字をコンスタントに出せるように、旅行各社の皆さんと一緒に頑張っていきたいと思います。

今期の当期間の乗客率を高い率で乗り切る、走りきることが大きな目標だと思います。その結果、タイの方の観光が増えていただくことが最終的には大きな望みですが、その第1段階として、通年的に乗客率が確保されることをクリアした上では、確か震災前は3000人を超していたと思うのですが、今はまだそこまでいっていませんので、早く震災前の数に追いついて、それを超えて新しいステージに行くのが次の目標です。

(16)市長がタイの方を案内するとしたら東北のどういう所をアピールしたいか

まずは東北ならでは、仙台ならではのいろいろな食べ物を食べてゆっくりしていただいたあとは、タイも仏教国ですから、仙台周辺にある仙台のお寺に限らず、松島の瑞巌寺や仙台であれば大崎八幡宮を見ていただいてもいいし、山寺でもいいし、一番分かりやすいのは世界遺産の平泉という気もします。

そういう所に極めて近距離ですし、バスでも行けますから、そういうことをアピールします。あとは、タイの方は東北の冬の雪を見たいという気持ちが非常に強いと伺っていますので、蔵王、安比などウインタースポーツも楽しんでいただくことができれば、手ごたえのある仙台東北のツアーになるのではないかと期待しています。

決して仙台の地域と限らず、東北一円、特に隣県との連携の中で魅力を感じていただければいいと思います。

(17)復興公営住宅について、他自治体との調整の場も設けたいとのことだったが現況はどうなっているか

今少しずつ、個別の自治体と調整ができないか事務的に話をさせていただいています。国土交通省の東北地方整備局などにも話をさせていただきながら、石巻市や気仙沼市など、数の多いところの皆さんと話をしなければいけませんので、少しずつ進めているところです。

(18)具体的な協議の場の設定はあるのか

まだそこまではいかないです。

仙台の場合はいろいろな調査が先行している状況があります。住民の意向調査であったり、さまざまな人口動態なども含めて、ある程度調査をした上で、判断に至っています。自治体によってはまだ調査まで手がつかないところもありますので、一堂に会してというよりは、それぞれの自治体の状況に応じて、そしてまたそれぞれの自治体と仙台との出入りの関係もありますので、話をさせていただきながら、復興庁も求めている、どこかが増えて元も同じということではただ増えるだけではないかという質問にお答えできるような数字を固めていきたいと思っています。もうちょっと時間がかかりそうな気がします。

(19)先日仙台中央警察署からドイツ人容疑者が逃走したことについて所感を伺う

あまりそのことについては詳しく知らないのですが、なにがしかのパニック状態になって逃げたのか、何なのか。意図は分かりませんが、ただ言語がよく通じない国だという不安感があったのかもしれません。

しかし日本における取り調べは、ちゃんと通訳をつけるとか、また本人のご請求があれば、人権に配慮した形での要求ができるとか、法治国家としての基本的なルールは守られていますので、その点をご信頼いただければ、ご自身にとっても今回の逃げるということはあまり得策ではなかったとは思っています。

(20)警察が逃がしてしまったことについてどう思うか

正直に言って、逃げられてしまったの、という驚きはありました。今回は凶悪な事件に関わったような事例ではなかったから良かったですが、住民の皆さんが地域として不安感を持つということも出てきますので、今までも十分慎重にそういった方々へは対応をしてこられたと信頼していますが、防犯や安全に責任を持つ者としては、なお住民の方々の心情を思って、万全を期してほしいという思いはあります。

(21)県警トップの報道対応についてどう思うか

警察の何がどういう職務階梯になっているかわかりかねますので、それについては今回の件がどうあることが適正なのかは、私の判断はありません。

いずれ組織の中で行われていること、例えば仙台市を例にとれば、仙台市の中で起こったさまざまなことについて、市長が直接、間接であれ、ある種の執行責任を追う立場であることは事実ですので、自分の組織についてはそれを基に判断しています。

(22)逃走が午後4時過ぎの下校時間に重なっていたが、仙台の中心部に逃げたという情報公開が遅かったことについてはどう思うか

われわれとしては捜査に支障がない限り、必要な情報というのは教えていただくようにこれからもお願いをしたいと思っています。

ただいろいろなケースがあるでしょうから、警察として即時に自治体に通報することが何らかの捜査上の阻害要件になることが考えられることがあるかもしれませんので、これを100%求めるということではないです。

(23)今回の場合はどうか

なかなか難しい気はしますが、可能な限りにおいて自治体にも情報を教えていただきたいと思います。

仙台市長 奥山 恵美子

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