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更新日:2016年9月20日

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質疑応答の概要

(1)被災者対象の医療費減免の請願書が県議会で採択されたことについて見解を伺う

議会でもお答えを申し上げていますが、財政的な補助の部分で、国として制度を打ち切られた、それが大きなことです。

仙台市としてもかなり高額な財政的な支出を伴いますので、宮城県市長会など、さまざまな機会で、改めて国としての制度の復活をお願いしております。そういったものがなければ仙台市単独事業での再度の事業化は困難だと考えています。

(2)国の補助がなければこれからも厳しいということか

そうです。

(3)岩手県、福島県では補助があるのに、宮城県でできない理由は何か

福島県の場合はいろいろな事情がありますから、対象の数なども違ってくると思いますけれども、岩手県でいえば、宮城県全体の対象者数とは数が相当違いますし、財政的な規模としても、宮城県の場合は大変大きいと考えています。

(4)対象者数が膨大で財政がかなり圧迫されるということか

その事業を行うことによって、仙台市もしくは宮城県として負担すべき金額は無視できない金額であると考えています。

(5)市単独で事業化した場合の事業費の試算は

年度によって違いますが、これまで実施してきた経過でいえば、15億円ほどの負担になると承知しています。

(6)15億円を捻出するのは難しいのか

国民健康保険事業についてはそもそも、いろいろな課題のある保険制度であり、仙台市としては、通常年度においても年額で約100億円ほどの市費を使って国民健康保険の保持をやってきているわけです。

これまでにもさまざまな形で市費を投入して支えている制度でありますので、被災された方々のそれぞれのご事情の中で、この補完制度が続けばいいという事情をお持ちの方がいることは、個別には承知をしていますが、制度全体の運営を続けていく地方自治体の立場からは、これ以上に負担を続けることは難しく、もしこれを実施するのであれば、国としてしっかりとした被災地に対する財政的な支援を考えていただきたいと思います。

(7)15億円というのは仙台市単独分か、県と折半しての額か

市単独になります。

(8)宮城県知事からは、生活保護もあるという発言があったが市長の見解を伺う

医療費の負担でいろいろ困難を抱える方の場合には、即、生活保護という前に、高額療養費の支給などいろいろな手立てがありますので、ご相談をしていただくことが大事だと思います。

いろいろな事情の中で病気を抱えられて、医療費の支払いが困難になるケースは、震災時以外でも通常のケースでもありますので、まずは相談していただきたいと思います。

(9)相談することによりどんな選択肢があるのか

例えば高額療養費の制度のように、一気に大きなお金がかかる場合に、それを還付していく方法です。お支払いが困難になるケースはまったく起こらないという状況ではなく、ある一定の場合どうしても起こってくる可能性がありますので、我々として提供できる限りの情報は提供して、取り得る手だてを取っていくということは、今までと変わりません。

(10)今回の市長選啓発経費の4千万円を医療費に回せばいいという意見もあるがいかがか

さまざまな事業に市税の資金を投入してやっていくときに、それぞれの事業にはそれぞれの成り立ち、必要性というのがあります。やはり政治の場ではありますから、私と違う判断をされる方も当然いらっしゃるわけですが、私としては、大事な決定に市民の声を寄せるために、選挙の重要性を訴える啓発経費としての4千万円はこの場合必要なものだと考えています。

(11)医療費の減免を仮設住宅に入っている方に限定するとか、枠を考え直すことについてはいかがか

対象者の範囲については、いろいろなご提案はあると思いますが、実務上にそれを実施することには別の難しさがあると思います。また、必ずしもそこが合理的な判断の線引きの場所になるかということに対する課題があると思います。

私としては、金額が少なくなるように、どこかで線引きをすることについて、合理的な線引きが現時点で可能だとは思っていません。

(12)「奥山市長を支援する市議の会」からの政策提言についての受け止めと、今週発表予定の公約について伺う

市議の会から、政策の方向性ということでいただいています。私としても、せっかくまとめられた提言ですので、可能な範囲がどこであるのか、自分の志すものとのすり合わせなどを考えながら、最終的な調整の中に盛り込める部分は盛り込みたいと考えています。

お約束した公約の発表については、作業を進めており、今週中に発表できるように鋭意頑張っています。

(13)公約のポイントを伺う

それも含めて今、自分でもいろいろ考えながら、今週も支持者の皆さんにご意見をいくつか伺っていくところですので、発表する際にお話させていただきたいと考えています。

(14)市長選において大半の市議が、市長を支持する旨を表明していることについて伺う

市議の方のご判断ですが、これは当事者の方に聞いていただくのが一番かと思いますが、市民の方が、私のこれまでの市政の実績を評価していただいたというのがあるかと思います。それ以外のところで考えれば、今後の方向性ということについても、第一回定例会や第二回定例会でもご質疑でお尋ねいただいて私がお答えさせていただいていますので、そうした部分でご判断を積み重ねられたのかと思います。

最終的には当事者の方々の声によらないとわかりません。これはあくまでも私の推測にしか過ぎないということです。

(15)先日、参議院議員選挙の候補者の選挙事務所を訪問した理由は

これまでの選挙においても、現職の方の事務所を訪れさせていただいています。そういう意味では、いずれの選挙の時にも、現職の方を中心に事務所にあいさつに行くというのは、私としては通常のパターンで、特にそれ以上でもそれ以下でもありません。

(16)蒲生北部地区の住民から、土地区画整理事業の見直しを求める意見があるがいかがか

土地区画整理事業について、いろいろなご意見の方がいらっしゃることについては承知しています。従前の説明会の中でも、引き続き住み続けたいという方のお声も聞いていますし、個別説明会の中でもそういうお話を聞いています。いずれそういった声にも十分配慮しながら、計画を立てていかなくてはいけないと思っています。

今回のご要望の中で、例えば災害危険区域の指定を外してほしいというご要望がありましたが、我々が津波シミュレーションの中から、住み続けるには難しい危険な区域だということで、最小限に絞り込んだ上で指定させていただいたものですので、今それについて解除するということはまったく考えていません。

(17)今後区画整理を行っていくと、退去しなければならない人も出るということだが、所感を伺う

今回の区画整理については、なるべく住み続けたいという方がいらっしゃることは着手前から承知していますので、一般的な区画整理よりは、現状の形態を重視しながら、なるべく移動する方が少なくて済むように原案を作るよう事務方にも指示を出していたものです。

しかし、1千数百世帯に上る方々が対象の区画整理ですので、まったくそれがゼロで済むとは思っていませんが、なるべく希望は生かせるようにという前提で事業化を進めようとしているところです。

まずは、今月我々も説明会をさせていただきますが、そうした中で改めて市の案をお示ししなから皆さんのご意見を丁寧に聞いていきたいと思います。

(18)災害危険区域内に自力で再建している方々がいるが、その方々の安全確保策を伺う

災害危険区域に住み続けるためにということですが、そもそも災害危険区域を指定したことからすれば、そのことに対しての特段な施策は、先ほど申し上げたとおり、その趣旨としていません。

ただ、避難道路ですとか、可能な利用形態の中で、産業地域として利用していこうという趣旨で区画整理をしますので、日中などに利用される方々が、もし大きな地震があったらどう逃げるかとか、逃げる場所をどこにするかとか、そういった話し合いは地元の方と一緒に進めながら、我々としても、必要な道路や必要な避難場所を確保していきたいと思います。

(19)リフォームの場合、災害危険区域に住み続けることが可能になるが、法的に問題があると思うがいかがか

基本的には、法に定められたところで我々が運用していくことです。リフォームは可で、再建は否というのが基本の考え方ですから、それは、有効な財産としての家屋を、一気に全部を否とすることは、非常に不利益な面が出てくることから、次に更新する場合には、適地に移っていただきたいということを誘導しつつ、現実的に今すぐという強制力は持たせないというのが法的な判断としてあったのだと思います。

どこまでが可の部分で、どこまでが否かというと、当然グレーの部分はありますが、そういうひとつの考え方に基づいて法ができていると受け止める中で、我々としては可能な誘導策、そして将来的なまちの形成に向けてお願いしながら進めているということだと思います。

(20)現在の法律で問題ないと考えるのか

そもそもということで考えれば、いろいろな議論があり得ると思います。ただ、議論をすべき場としての国会で議論していただくのは、これから十分可能なことです。

3.11で被災を受けた我々としては、その時点で適用される法律の中で、市民の方の将来に向けて、安全なまちを今後とも作っていくかというプロセスを、いかに形成するかだと思います。実務の面から見ると、現行の法体系の中で進んでいかなければならないと思います。

(21)災害危険区域内の住民からは、市からただと言われて家を解体した。しかしその後、リフォームすれば現地で再建できたのに、再建できなくなったという声も聞くがいかがか

そのような話は、私自身も聞いたことがありますし、またそういうケースもあるかと思います。また、我々の職員の方では別に説明をしていたというようなこともありますし、その辺は水掛け論の部分も現実的には出てきていると思います。

いずれにしても、我々とすればその時点で分かり得る範囲でお答えをしていたとは思いますが、しかしそのお答えをしていたことが、後から見ると矛盾していたり、後から分かればこうはしなかったというものがあることも、この膨大な作業の中では、住民の方がそう受け止めている部分が現にあるということは私も承知しています。

なかなか過去をひっくり返すことはできませんが、我々としては、今の時点として一緒に見ていける方向を、住んでらっしゃる方一人一人にとって可能な限り、より良い選択というのを、一緒に探させていただくということだと思います。

非が仙台市にあるという部分ももちろんあるでしょうし、また住民の勘違いという部分もあるかもしれません。

(22)蒲生北部地域の土地区画整理事業の計画が今後示される中で、今後立ち退きに反対する人も出てくることも考えられるが、どのような対応を考えているのか

いろいろなケースがあると思います。現に、土地区画整理事業は、平常の中で行っても、いろいろなご意見があります。立ち退きや換地に応じられない方も過去にいらっしゃいました。今回の土地区画整理事業の中でも、いろいろな困難は出てくるだろうと思います。

しかしながら、我々としては、あの地区をこれから再生していくためには、今回の土地区画整理事業のように、ある程度土地の集約をして、産業地区として利用可能な形に整備していく必要があるという判断自体は間違っていないと考えています。

まずはそもそもの狙い、趣旨を、広く地域の方にご理解をいただいて、その上で個別の不都合については、なるべく生じないような工夫を我々もさせていただきます。

今のところは、あくまでも原則論で申し上げるしかありませんが、考え方としてはそう考えています。

(23)強制的な執行をするよりも、まずは話し合いをしていくということか

そういった手段は、これまでにおいても、相当の話し合いや手続きを踏んだ後、最後の最後の局面に出てくるというものです。

今回はまだ、事業決定に向けての途中ですから、まさにプランをお示しして、事業化の前ですので、さまざまなケースについて、今の時点で具体的な判断は難しいと思います。

(24)メモリアル事業としての音楽ホール建設について伺う

仙台市にとって大型の音楽ホールの建設は、過去十数年以上にわたる一つの課題であることは事実です。音楽のさまざまな復興に関しての働きなどが市民の方や広く世界的にも評価をされていることも事実であります。

メモリアル事業のあり方については、先般私も出席させていただきましたが、今、仙台市震災復興メモリアル等検討委員会で検討をいただいているところです。メモリアル事業にはいろいろな要素があり、音楽も確かにその一つかもしれませんが、一方で検討会の中でも話が出たように、失われたものをどう可視化したり、地域における過去の暮らしのありようを、どうすくい上げていくかという、地味だけれども大切なお話もありましたので、当面は検討委員会でのご議論をしっかりと拝聴していきたいと思います。

(25)音楽ホールはメモリアル施設と切り離して考えるのか

そのことも含めて、どういうものが復興のシンボルとして、市民の皆さまの心に浮かび得るものなのかを、検討委員会の中でもさまざまにご議論されると思います。その議論のありようを私も聞かせていただいて、その上で考えをまとめていきたいと思います。

(26)仙台国際コンクールの主会場としても、2000人規模の音楽ホールが待望されているが、いかがか

音楽関係者の方や音楽の催しの興行主の方々から、仙台に2000人規模のホールが無いことによって、ある種の興行やイベントを開催しにくいというような話は、だいぶお聞きしているところです。

しかしながら震災後は、被災された方々の暮らしの再建が何よりも優先されるものであって、仙台市としてしっかりと事業化、事業経費を注いでいきたいと思っていますし、それはたぶん市議会の方でもそうお考えだと思います。

そこから考えると、音楽ホールについての優先順位は、震災後はそれらに比べては低いというふうに私は認識しています。

(27)前回の市長選の際の公約(マニフェスト2009)では音楽ホール建設を進めるとしていたが、今回はどうするのか

基本的な考え方は、今お話ししたとおり、生活再建が第一ですので、それがある程度成りました後の課題ということになると思います。ただそれが成る時がいつかということは、まだ復興計画期間内ですので、少なくとも期間内に、音楽ホールという話はあり得ないと現時点では思います。

(28)先月の総合防災訓練を踏まえて、沿岸地域の避難方法についてどのように考えるか

沿岸地域の中でどうしても車で逃げなくては困難だという方もいらっしゃいますし、アンケートなどでもそういうお答えが多かったことは承知しています。発災する時間も大きく関係すると思いますが、津波避難施設の整備に関する検討委員会の中では、一斉に車で逃げた場合には、相当程度の渋滞もしくは交通の混雑の中で、逃げ遅れる人が出てくるという結果になっていることも事実です。

皆さま方自身の生命の安全にとって、こういう結果が出ている中で、車の利用についての議論をなしにしていいのか、ということではないと思います。地域の方々がどういう状況の時に、車で逃げる優先的な意味があって、どういう場合には、ここを徒歩でといったことは、決して誰かが強制したり、それを枠にはめたりできるものではありません。誰でも守らせることができる超法規的な力がその場合に存在するわけではないと思いますので、最終的には地域の方が、しっかりと理解されるということがなくてはいけません。

地域の方が全体で考えていただけるように、そして全体で納得していただけるように努力をするのが、我々防災に責任を持つ側の、逆に言うと我々自身の責務だと思います。

(29)町内会で避難方法を指定するのは難しいと思うので、市が指定できないのか

市が指定するにしても、町内会が指定するにしても、「こういう類型の人はこう」という大きなくくりになると思います。

例えば自力では歩けないという方も日々変わるわけですから、何月何日時点で、この人はこうと指定しても、その指定された以外の人でも、けがをして動けなくなるとか、いろいろな臨時的な要素が出てきます。概念として、その時にこの程度の歩行困難な人がいれば、それは車での避難になるでしょう、ということです。

しかし、高齢でも自力で歩ける方もいらっしゃるし、けがをしてしまっていれば、若くても歩けない場合もあり得ます。そういう類型をどう共有化して、それぞれがお互いにその判断で動いて、全く誤差がないというわけにはいかないと思いますが、あまり誤差が無い程度の共通認識になるようにするということではないかと思います。お一人お一人にあなたは歩くべき人です、あなたは走るべき人です、あなたは車で運んでもらうべき人ですということを特定することは、地域社会の中では不可能だと思います。

(30)避難場所までの距離なども考慮すると想定以上に徒歩避難が困難な方が多いと思うがいかがか

それはやってみないと分からないことでありますし、また、ある程度避難道路とか避難所、タワーなども含めてどの程度具体に整備されていくか、その状況と見合いの話であろうかと思います。

将来的には、周辺地域の人口の最終的な張り付きの中で、それらのことも含めて調整されていくものだと思いますが、現時点では、まだ道路や避難タワーもまだ整備されていない状況ですので、一番車に頼らざるを得ない状況だけれども、車も非常に阻害用件が多いというような状況だと思います。

これから道路ができていけば、今と同じ台数で計算しても、よりスムーズに動けるという意味で、渋滞発生の可能性が低くなるというシミュレーションが将来的には出るかもしれません。それとの見合いの中で、今おっしゃったようなことも含めて、どちらがどういうバランスで均衡点を持っていくかは、その時その時で考えていくしかないと思います。

ある意味で試行錯誤しつつ、数年間の中である一定の所にたどりつけばいいと思います。

(31)地域住民から避難施設を立体駐車場のような施設にしてはどうかという意見もあるが、いかがか

立体駐車場のような形は考えていません。いろいろな意味で検証してみないといけませんが、現時点でそういう案が検討委員会の中で出てこなかったということは、たぶん場所の広さの問題や建物の広さの問題などで、困難があるということではないかと思います。

(32)経団連が宮城県に視察に来ているが、震災から2年以上が経過し、経済界に期待することはあるか

今いろいろな仙台市内のビジネス関係の方とお話をしてみますと、グループ補助金などいろいろなものを使って、生産設備や店舗といったハード面については、ある程度は回復した、あるいは回復のめどがたったという方が、少なくとも仙台市内については、多いように私自身は把握しています。

ただ一方で、そういう方々が商売の面で、困難がないかというと、困難はあって、その最たるものが被災している間に失ってしまった販路の問題だと聞いています。一度よその方が、取引先のお店の棚を確保してしまうと、こちらは元に戻りましたから、その棚を空けてくださいと言っても、そこは既に使っている人がいる、再び販路を獲得することが非常に難しいということです。我々もいろいろと努力をしていますが、経団連のような大規模な全国組織であらためて被災地が今求めている販路について、ご支援いただくようなことがあれば、それは復興の新しい段階に応じた我々に対する一つのサポートになるのではないかという気がします。

(33)仙台城跡の石垣は、過去の遺構調査から、昔の地震でも崩れた形跡があるとわかっているが、市道仙台城跡線は復旧後、従前どおりの通行とするのか

あの道路については、従前のとおり一般的に市道として通行していただくことを目的に、今、復旧工事を進めています。確かに、過去の震災でそういうことはあったようですので、防災の面からもしっかりと復旧をしていかなければいけないと思います。

しかし、あそこはなかなか迂回路もなく、今でも困難を引き起こしていることもある非常に重要な道路ですので、安全面に十分に配慮しながら、通行が可能となるような方向で復旧していきたいと思っています。

(34)現状のままでも支障がないのではないか

しかしながら、ゴールデンウイークなど、観光シーズンにおける問題もあります。今ですと、かなり歩いていただかないと城跡に上れないということの難しさや、もしタクシーで行くと大変な遠回りをしなければいけませんので、あの道路を封鎖して使わないというのは、現時点ではちょっと考えにくいと思います。

私のところには、八木山地区など、さまざまな地区の方から、またタクシー業界や観光業者の方々からも、ぜひ早期の復旧をというお声を聞いているところです。

(35)通行を観光バス、タクシーに限定するという考え方もあると思うが、従前どおりに復旧するという考えか

そういう形で考えています。

(36)先週タイ国際航空の定期便就航の話があったが、その後正式な連絡はあったのか

先週の時点で把握していた以上の新しい情報は確認できていません。

(37)原子力発電所の新基準が示されたが、市長の所感を伺う

原発の基準については、今回原子力規制委員会で新しい基準を作ったわけですが、これまで過酷事故は想定しなかったことに比べれば、そのような事故が複合的に起こることを想定した中で基準を作ったことについては、これまでの基準よりも今回の事故の教訓を組み入れた形だと思っています。

しかしながら、福島第一原子力発電所の事故によって、多くの方が現に仙台にも来ている状況や、事故後の広域的な避難の中での混乱の状況などを踏まえると、事故が起こらないようにする物理的な規制をしっかりとやっていくことも大事ですし、一方、少なくとも被災地の住民の中には、事故が起こった後の広域避難などについて、しっかりとした国としてのルール作り、事故後のソフト面についての対応、それが今もって住民の方々も含め、我々も十分それで理解し得る、納得し得る形にはなっていない中で、再稼働して良いのかということに対する自治体としての問題意識や、住民の方の割り切れなさのようなものがあると私は思っています。

(38)新基準そのものは評価しているのか

私は従前よりは事故の教訓を生かした基準になったと思っています。

(39)女川原子力発電所の再稼働はどう考えるか

女川原発自体は、私の承知する限りでは、新基準の問題以前に、今回の震災で壊れた部分の復旧工事をまだ行っている状況だと認識しています。再稼働に至る以前の状況だと思っています。

(40)安全性が新基準を満たし、ソフト面なども整えば再稼働も容認するのか

その時の時点で、女川原発がどこまでのことがなされているのかという、具体的に女川原発に則して考えるべきことだと思いますので、今の時点でそれらがすべて可能になったらといっても、そもそも可能になるかどうかという所を皆が注視している段階です。そのような仮定ではお答えしにくいと思います。

(41)まだ女川原発再稼働の判断はできないということか

はい。そうです。

(42)原子力発電所再稼働には、地元自治体の同意が必要だが、女川原発の場合は仙台市も地元自治体になると考えるか

地元の定義から言えば、仙台市は50キロ圏ですので、さすがにそこまでを地元とは言いにくいと思います。地元の定義として、立地自治体はもとより、今回それをさらに広げた30キロ圏という概念を作りましたが、30キロ圏の持つべき判断要素と、50キロ圏の違いは距離的にもあると思います。

しかしながら、我々がまったく無関係な、客観的に何らコメントする余地のない部外者かというと、今回の事故に則して考えれば50キロ圏には50キロ圏の関係性、広域の中での関係性はありますので、立地距離に応じた関係者として、我々が懸念する部分についての発言権は担保されるべきと思います。

ただ、それは地元という言葉とはちょっと違うと思っています。

(43)30キロ圏内が合意が必要な地元自治体だが、広域圏の自治体としても意見を出せるようにするということか

広域圏として懸念する、さまざまな事項がありますので、それについて広域圏が了解できるような状況を、お互い話し合って、作っていけるような場があるべきだと思います。

(44)ゼネコン汚職から20年が経過したが、現在市政がどのような影響を受け、変わったか伺う

20年前の事件は、仙台市政にとって大変不幸な事態でした。その後、主に藤井市長時代の一期目は、仙台市のさまざまな契約行為についての透明性を確保する手続きをいろいろやってきました。また、情報公開の取り組みや契約条件の特命や随意契約から一般の入札にするなど、いろいろな契約制度の変更などに取り組んできました。

現時点においては、あの当時に起こったことは、二度と起こりえない状況に制度化されたと思っています。

(45)一方で民間企業との付き合いが減少し、疎遠になったとの指摘もあるがいかがか

いろいろな利害関係者との接触については十分慎重であるようにと、通達も出しています。また、現にそうした皆さんと接触がある場合の、事前の報告の様式や飲食の可能な範囲など、いろいろ厳しくなっています。

20年前の事件以前と比べれば、格段に疎遠な状況になったとは思います。それが是か非かとなりますと、疑わしき付き合いをすること自体よくない、これは仙台市だけではなく、国民全般で社会の認識が変わってきていると思います。私自身は一定の弊害を指摘する声も聞きますが、現状今すぐに元に戻ればいいとは考えていません。

(46)職員と外部の民間団体との付き合いはどうすべきと考えるか

別に飲食を伴わず、いろいろな方と話をしたり、意見交換をしたり、共通のテーマについて考えたりすることはいくらでもできます。不適切な付き合いをしてはならないことを定めているわけですから、勉強会などに入って、いろいろな課題について話をしていくこと自体はいいことだと思います。

仙台市長 奥山 恵美子

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