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No.232   2004年 9月号

 

特集 仙台市の産業別・職業別就業者

(平成12年国勢調査従業地・通学地集計U,Vおよび抽出詳細集計結果)
 


<目  次>


 この特集は,平成12年10月1日現在で実施された,平成12年国勢調査における「従業地・通学地集計U」,「同V」および「抽出詳細集計」における仙台市の結果の概要をまとめ,総務省統計局から公表された結果表の抜粋を掲載するものです。なお,「抽出詳細集計」は一定の方法により一部の世帯を抽出し,就業者の産業,職業等に関する詳細な結果を集計したもので,「従業地・通学地集計V」はそれに対応する集計結果です。


1.仙台市を常住地とする就業者の職業(大分類)別従業地

 仙台市に常住する15歳以上の就業者は482,945人です。「従業地・通学地集計U」の結果からこれを職業大分類別に見たものが図1です。総数比較では平成7年と平成12年では大きな違いは見られません。

 従業地別・職業(「分類不能の職業」除く)別に見ると,自宅就業者の割合が最も高い職業は「農林漁業作業者」(当該就業者の79.2%)が抜きん出て多く,また自宅以外の自区内での割合が最も高い職業は「サービス職業従事者」(当該就業者の54.7%)で,「農林漁業作業者」を除く各職業も40〜50%の数値を示しています。また市内他区における就業者の割合が高い職業は「事務従事者」(当該就業者の46.2%),「販売従事者」(同43.0%),「運輸・通信従事者」(同41.0%)などとなっています。以上を合わせた仙台市内における就業者の割合が最も高い職業は「農林漁業作業者」(当該就業者の96.5%),次いで「サービス職業従事者」(同95.4%)となっています。
 一方,県内他市町村における就業者の割合が他の職業に比べて高いのは「生産工程・労務作業者」(当該就業者の11.4%),「運輸・通信従事者」(同の11.3%),「保安職業従事者」(同10.0%)などで,また,県外における就業者の割合が高いのは「管理的職業従事者」(当該就業者の2.6%)となっています。

2.仙台市を従業地とする就業者の職業(大分類)

 仙台市を従業地とする15歳以上の就業者は546,613人です。「従業地・通学地集計U」の結果からこれを職業大分類別に見たものが表1です。平成2年,7年,12年とも「事務従事者」が最も多く,平成12年は126,257人(構成比23.1%)となっています。次いで「生産工程・労務作業者」114,006人(同20.9%),「販売従事者」113,737人(同20.8%),「専門的・技術的職業従事者」79,544人(同14.6%)となっており,これら4職業の従事者が,就業者総数の約8割を占めています。

表1  仙台市を従業地とする15歳以上就業者の職業(大分類)

単位:人,%
職業(大分類) 平成12年 平成7年 平成2年 平成7年から12年の増減 平成2年から7年の増減
   構成比    構成比    構成比    増減率    増減率
専門的・技術的職業従事者 79,544 14.6 76,550 13.9 66,312 13.4 2,994 3.9 10,238 15.4
管理的職業従事者 17,511 3.2 28,642 5.2 24,629 5.0 -11,131 -38.9 4,013 16.3
事務従事者 126,257 23.1 127,851 23.3 122,503 24.7 -1,594 -1.2 5,348 4.4
販売従事者 113,737 20.8 110,402 20.1 96,883 19.5 3,335 3.0 13,519 14.0
サービス職業従事者 49,183 9.0 45,296 8.2 39,139 7.9 3,887 8.6 6,157 15.7
保安職業従事者 10,237 1.9 9,953 1.8 8,903 1.8 284 2.9 1,050 11.8
農林漁業作業者 5,666 1.0 7,228 1.3 8,006 1.6 -1,562 -21.6 -778 -9.7
運輸・通信従事者 21,387 3.9 22,808 4.2 21,814 4.4 -1,421 -6.2 994 4.6
生産工程・労務作業者 114,006 20.9 117,166 21.3 105,391 21.2 -3,160 -2.7 11,775 11.2
分類不能の職業 9,085 1.7 3,466 0.6 2,656 0.5 5,619 162.1 810 30.5
546,613 100.0 549,362 100.0 496,236 100.0 -2,749 -0.5 53,126 10.7
 次に,表1の平成7年から平成12年の増減を見ると,まず総数が減っていることが見て取れます。中でも特に減少の割合が高い「管理的職業従事者」は11,131人(38.9%)の減少,「農林漁業作業者」も1,562人(21.6%)減少しています。他にも「生産工程・労務作業者」が3,160人(2.7%)減少など,職業9項目(「分類不能の職業」除く)中5項目で減少しています。一方,「サービス職業従事者」の3,887人(8.6%)増加や「販売従事者」の3,335人(3.0%)増加,などの職業もありますが,それらは全て10%以下の増加率となっています。
 平成2年から平成7年の増加率と比較すると,「分類不能の職業」を除く職業9項目全ての職業で増加率が減退しています。特に「管理的職業従事者」は16.3%増から38.9%減となり,大幅に減退したことが分かります。他にも「生産工程・労務作業者」(11.2%増から2.7%減),「農林漁業作業者」(9.7%減から21.6%減),「専門的・技術的職業従事者」(15.4%増から3.9%増)など軒並み減退しています。



3.区別職業就業状況

 「従業地・通学地集計U」の結果から,仙台市を従業地とする就業者の区別の職業大分類別構成を見たものが図2です。

 青葉区における就業者は234,014人と5区の中で最も多く,主な職業は「事務従業者」(27.2%)「販売従事者」(22.4%),「専門的・技術的職業従事者」(16.8%)となっています。他の区に比べ「事務従事者」の割合が高い一方,「生産工程・労務作業者」(14.1%)の割合が低くなっています。ただし「生産工程・労務作業者」も人数では33,038人と5区の中で最も多く,実際に人数・割合ともに5区の中で最も低いのは「農林漁業作業者」(867人,0.4%)です。
 宮城野区における就業者は109,715人で,青葉区に次いで2番目に多く,特に「生産工程・労務作業者」(26.6%)の割合が高くなっています。次いで「事務従事者」(22.0%),「販売従事者」(17.9%)の割合も高いのが見て取れます。さらに「保安職業従事者」(3,852人,3.5%)と「運輸・通信従事者」(8,161人,7.4%)は5区の中で最も人数が多く,特徴となっています。
 若林区における就業者は72,256人で,「生産工程・労務作業者」(24.7%)の割合が最も高く,次いで「販売従事者」(23.6%),「事務従事者」(21.5%)の割合が高くなっています。一方,「専門的・技術的職業従事者」(7,282人,10.1%)と「サービス職業従事者」(4,171人,5.8%)は人数・割合とも5区の中で最も低く,特に「専門的・技術的職業従事者」の人数は5区の中で唯一,10,000人に達していません。
 太白区における就業者は64,774人で,5区の中で最も少ないのが特徴です。「生産工程・労務作業者」(25.4%)の割合が最も高く,以下「販売従事者」(18.1%),「事務従事者」(17.1%)の順に割合が高くなっています。一方,「管理的職業従事者」(1,568人,2.4%),「保安職業従事者」(807人,1.2%)は人数・割合とも5区の中で最も低いものとなっています。
 泉区における就業者は65,854人で,「生産工程・労務作業者」(26.5%),「販売従事者」(19.6%),「事務従事者」(18.1%)などの割合が高く,逆に,「保安職業従事者」(1.4%),「農林漁業作業者」(1.4%)の割合が低くなっています。

4.従業地・従業地別就業状況

 「従業地・通学地集計U」の結果から,仙台市を常住地とする就業者の従業地別構成を見たものが図3〜図5です。



 図3を見ると,仙台市を常住地とする就業者の約90%が,仙台市内に従業していることが分かります。仙台市以外の県内に従業する人は約8%,他県での従業者は約1%に過ぎません。




 図4は図3中の,仙台市を除く県内就業者数を従業地別に見たものです。就業者が最も多いのは名取市で7,651人(20.8%),次いで多賀城市の5,137人(14.0%),以下,利府町(2,950人,8%),岩沼市(2,929人,8.0%)などとなっています。また,仙台市に隣接する市町村(名取市,多賀城市,利府町,富谷町,大和町,村田町,川崎町)に従業する就業者の人数は21,799人で県内(仙台市除く)就業者の内59.3%を占めています。




 さらに,図5は宮城県以外での従業地を表したものですが,最も就業者が多いのは福島県の1,426人(27.6%),次いで山形県の1,269人(24.5%)で,この2県で宮城県外就業者の半数以上を占めています。また,東京都および隣接3県(神奈川県,埼玉県,千葉県)への就業者も985人(19.0%)います。


次に「従業地・通学地集計U」の結果から,仙台市を従業地とする就業者の常住地別構成を見たものが図6〜図8です。


 図6より,仙台市に従業する就業者の80.7%は,同じく仙台市を常住地としていることが分かります。仙台市を除く県内を常住地とする就業者は17.9%,宮城県外では1.4%となります。


 図7は仙台市に従業する就業者の内,県内(仙台市除く)に常住する就業者の割合を示したものです。図4 仙台市を除く県内従業者数に表れた割合と同様にここでも,名取市が13,972人(14.2%)と最も多く,多賀城市が13,126人(13.4%)で2番目に大きな割合となっています。また,仙台市に隣接する市町村(名取市,多賀城市,利府町,富谷町,大和町,村田町,川崎町)に常住する就業者の数は48,247人(49.2%)で県内(仙台市除く)常住者の約半数となっています。



 図8は宮城県以外での常住地を見たものですが,図5 宮城県外就業者数と同様に福島県(2,601人,34.5%),山形県(1,509人,20.0%),岩手県(1,194人,15.8%),東京都(492人,6.5%)が上位を占めており,この4県で県外常住者全体の76.8%となっています。